「情熱大陸」ディレクターと伊集院光が共鳴した爆笑問題・田中の「何も無さ」

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伊集院 光
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5月3日(月)深夜放送の「月曜JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力」で、伊集院光が「情熱大陸」ディレクターのインタビューを受けた、と語っていました。

爆笑問題が、5月16日と23日の2週にわたって「情熱大陸」に出演するというのです。16日が田中編、23日が太田編と、1週につき1人という扱いだそう。どうやらその田中編で、伊集院が田中について語る場面がありそうです。

伊集院といえば、今年2月2日に放送された「爆笑問題のニッポンの教養」特別編で、田中の哲学的ともいえる「田中力」について熱弁を奮ったほどの田中マニア。爆笑問題と伊集院はもちろん長い付き合いですが、この「爆問学問」があったからこそ、インタビューのお鉢が伊集院に回ってきたみたいな側面もあるんでしょうね。

田中に密着取材を続けてきた情熱大陸のディレクターは、田中の生態について痛感させられたことを、伊集院に向けていろいろ話していたそうです。今回はそれを聞きながらインタビューに応じた伊集院のトーク

書き起こしました。


以下、伊集院光の話。


爆笑問題のふたりが今
情熱大陸」の密着取材というのを受けてて


すごいと思ったのが
「太田さんで1週、田中さんで1週」って
2人で1週じゃなくて、ひとりづつ
「今週は太田さんだけ」って


バイオリンも太田さんが
「♪てってってーてーてー」って
葉加瀬太郎の「情熱大陸」のテーマを)弾いて
高田万由子さんと寝て
っていうのを
ぜんぶ太田さんがやる回と田中さんがやる回にわけるらしいんだけど


やってるっていうのは「雑学王」出たときとかにも
「ついてるんだそういうの(=取材クルー)」っていうのを見てたんですけど


あれすごい1ヶ月くらい密着すんのね!
ずいぶん前から「やってんな」って知ってたんだけど


事務所が


「伊集院さんすいません!
情熱大陸』に出てください!」


って言うから


「おぅ?(俺が?)
でも(仕事セーブしてるから)週に5日寝てんぞ」と(笑)


週に5日寝てんのに
情熱大陸もどこに熱を感じていいのか
たぶんわかんないと思う


(中略)


「爆笑(問題)の情熱大陸に出て欲しい」と
しかも「田中さんのほうに出て欲しい」と
田中さんのほうでインタビューを受けて欲しいって言われて


「おぅそうですか」って言って
雑学王のあいだかなんか楽屋で
情熱大陸のディレクターさんが来てインタビューっていう


俺、情熱大陸自体あんま見たことないからさ
途中でインタビューが入るかどうかもよくわからないんだけど


「ぼくなんかでいいんですか?」みたいな話から
一応聞いたら
田中さん担当のディレクターさんが


「とにかくあの田中さんという人が、何も無い人なんです!」


って話になって(笑)


「あの人はね、猫と野球と仕事しかないんです!」


って話になって


すごいなって思ったのが
とにかく興味を持って話すことは巨人のことと猫のことで
あとは仕事の風景のことで


でも仕事の風景は
別に基本ピンで仕事やってないから
基本それは太田さんの「画(え)」と同じ「画」になっちゃうじゃん、ほぼ
角度は違うものの太田さんの週と同じ画になっちゃう
ということで


「田中さんってどんな人?」みたいなのを
ちょっと話して欲しいんですけど
って言われて


「そのままの人だよ」
って話になって


哲学的だなと思ったのは
そのディレクターさんが
「そんな田中さんがとにかく面白いんだ、と」
俺もそうなんだけど


「あんな異常なスケジュールと
太田光という異常なほどの才能のそばにいる」
みたいな
とーんでもなく異常な空間にいる中で


「猫ってかわいいな」


って思ってるってことがスゴいことだと思うのよ


それは
……お花畑でのんびりとしながらですよ?
「猫ってかわいいな」
って思うんならそれは別に普通ですけど


あの空間で
「猫がかわいい」
っていうことと
「今日ジャイアンツ勝った負けた」
ってことを言うって
スゲーよ!
って思うんです僕は


で、その話をしたらディレクターさんも
「たしかにそうなんです!」と
「今までまわしたVTRをぜんぶ見たら相当おもしろい!」と


だって、ふつうだよ
情熱大陸」の何周年記念で
相方がもう1週特集されて
「自分も負けずに」と思ったら


「なんか言うでしょ? 猫と野球以外!」


って(ディレクターが)言うのね(笑)


それを
「どんなに言いそうな時に(カメラを)回しても言わない」


「巨人強いね」と(笑)
「脇谷がんばれ」と


そんなんしか言わないし
「猫がどうしてかわいいか」しか言わない
のは、見れば見るほど面白い、と


それがおそらくだけど
黒澤(明)監督がドキュメントで田中裕二を撮る
って言っても
「スタート!」
って言ってから
「猫ってかわいいッスね」
って言うんだろうなって(笑)


そのディレクターさんが言ってたのが


(VTR素材の中で)
「捨てるところがいっさい無い」
というか
「ぜんぶ捨てて良い」というか


っていう話をしてて(笑)


「そこが僕の言うところの『田中力』なんです」っていう


田中さんだけが
奇才・太田光が青筋を立てながら
30分、1時間説明したことを
「よくわからないんでCMです」
って言える人だと(笑)
そういう才能っていうのはこの世にない才能だから


それを映すためには
もう「情熱大陸」とかじゃない、と


『田中チャンネル』だと


「もうCSの田中チャンネルしか俺は無いと思いますよ」
みたいな


そんな話をね、してましたよ

すべてが異常な状況の中で、猫や野球のことをただ語るウーチャカ

ほかにも競馬や麻雀、ゴルフといった大人な趣味もあったりするんですけどね。しかしどれを取っても趣味としては普通も普通。だからこそ、異常性がますます際立つということでもあります。

CS田中チャンネル、いやさ「ウーチャカチャンネル」の一刻も早い開始が待ち望まれます。