22 年前の石川梨華

飯島真理という人

1983 年からしばらくのあいだ NHK 総合で放送されていた「スプーンおばさん」という和風ファンタジーなタイトルのアニメーションのオープニングならびにエンディングテーマの曲なり歌なりが、実は名曲だしなんだか非常に懐かしい、とかいって、巡回先の各サイトでノスタルジー半分で振りかえられている昨今。

この「スプーンおばさん」、当時はゴールデンタイムに放送されていたらしく決して記憶に埋もれるような作品ではないはずなのだが、なんでか現状としては少なくともややマイナー感が漂ってる感じで、NHK や民放の「懐かしアニメ特集」とかで振りかえられることもあんまり多くはない。

ただ個人的には物心ついたかついてないかの幼少の時分によく見てたような記憶がおぼろげにあって、たしかに名曲だし懐かしいワ、と 1978 年生まれのぼくとしては率直に思っている。

そんなわけで今回の更新では「スプーンおばさん」のオープニングならびにエンディングテーマに関して、まるで孫引きみたいな感じになるけども、恥も外聞もなく YouTube 貼っちゃいます。ちゃっかり音と映像が堪能できますよ。

ちなみにこの曲の作詞作曲のクレジットには「作詞・松本隆」「作曲・筒美京平」とベタにもほどがある黄金コンビが名を連ねており、なるほどイイ曲なはずだ、と。


オープニング「夢色のスプーン」↓
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エンディング「リンゴの森の子猫たち」↓
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そして実はここからが本題。

この「スプーンおばさん」の曲を歌っているのは「飯島真理」という女性シンガーソングライターの方らしく、ぼくとしてはこれまで名前くらいしか知らずさほど気にも留めていなかった存在なのだが、気が向いてネットでちょいちょいと検索してみたところ、アニメの声優としては 80 年代のアニメ映画「超時空要塞マクロス」のリン・ミンメイ役としてその筋ではとても有名な人らしい。

また youtube の特性として付随的にそんな飯島さんのいろんな歌なり映像なりを見ていったところ、むかし日テレ系で放送されていた「ザ・トップテン」の、おそらく 1984 年頃とおもわれる映像に行き当たった。

はたして、ぼくはこの映像にこそ、そりゃもう尋常ならざる衝撃を受けたのです。


オリコンチャートで最高 7 位に入ったという「愛・おぼえていますか」という曲を飯島さんが歌っている映像である。若かりしころの堺正章と榊原郁恵に挟まれて、まだぜんぜん初々しい感じの飯島さんが、マクロスとか音大留年とか自己紹介的なトークを微笑み混じりに繰り広げている。

で、ですね。

そんな飯島さんの声の枯れ具合、クルクルと変わる表情、お姫様のような衣装の着こなしっぷり、あとちょっと色黒なお肌の質感・・・。


この人、石川梨華さんに激似なんですよぉぉぉ!!


愛・おぼえていますか」↓
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これまで、やれ国生さゆりだのやれ横山めぐみだのやれ佐藤江梨子だのやれ山口もえだのやれ梶原真弓(シェイプ UP ガールズ)だのと、ぼくはさまざまな石川さん似の著名人を見つけては平素の石川さん不足をカバーしようと足掻いていたのだけれども、そんな誰よりもこの映像の中の飯島さんは似ている。

否、そりゃシビアに比較してみれば飯島さんのほうはちょっと顔が丸すぎるような気もするんだけど、この目元に、この口元、この笑顔ね。顔のパーツが全体的に超そっくり。また歌っている途中のカメラや客席への視線のくばり方なんて笑っちゃうくらい身に覚えがあるのだ。美勇伝説の再現。


1985 年生まれの石川さんがこの世に華々しく生を受けるのと前後して、既に同じような人が存在していた。当時、飯島真理さん 21 歳。そして現在、石川梨華さん、同じく 21歳。

偶然というよりは半ば恣意的なすりあわせであるけれども、ピアノを弾きながら凛として歌ってる 21 歳の飯島さんの姿は、『もしも石川さんがシンガーソングライターだったら』のようなお笑いもしも話をリアルに仮想現実しちゃってるようである。

予期していなかったまさかのパラレルワールドぶりに、なんだか心の奥深くに変な感傷がずぅーんと重い。