Buono!、℃-ute、ももちのハロプロバックスクリーン3連発

1985年4月17日に阪神甲子園球場で行われたプロ野球セ・リーグ阪神巨人戦。7回裏に阪神の3番・ランディ・バース、4番・掛布雅之、5番・岡田彰布のクリーンアップが巨人の槙原寛己投手から本塁打を3連続で放ち、その打球がいずれもセンター後方のバックスクリーンとその付近に飛び込んだ出来事は「バックスクリーン3連発」と呼ばれて2017年の今も語り継がれている。

プロ野球の世界で3者連続本塁打はたびたび発生するが、広い阪神甲子園球場の同じ方向、しかももっとも飛距離が必要なバックスクリーンにクリーンアップ3人が3連発したのは他に例がない。またこの1985年は最終的に阪神が21年ぶりに優勝したり、バースがシーズン終了後に三冠王に輝いたりという結果を残しており、バックスクリーン3連発阪神にとって歴史的なシーズンを象徴する場面となった。

このとき巨人のセンターを守っていたウォーレン・クロマティは、バースの1発目が放たれたときは打球を追いかけてジャンプ、掛布の2発目は追いかけたが諦め、岡田の3発目はついに打球をただバックスクリーンへ見送って呆然とするばかりで、このクロマティの諦めてみせた背中が3連発のすごさを演出した。以上、Wikipediaの「バックスクリーン3連発」の項目からだいぶ引用しました。

で、ここからが本題です。2017年の前半はハロー!プロジェクトバックスクリーン3連発を食らって叩きのめされた年だった。

1発目は、5月22日に横浜アリーナで開催されたBuono!ラストライブ「Buono!ライブ2017〜Pienezza!〜」。これは「Kiss!Kiss!Kiss!」の曲中に3人がステージで昼寝をして、この時間がずっと続けばいいのにね、みたいなことをやってるシーンが愛理も泣いてたし、見てて本当にもらい泣きしてしまった。このことをBuono!をまったく知らない人に話しましたが何も響かなかったので伝えることって難しい。

2発目は、6月12日にさいたまスーパーアリーナで開催された℃-uteのラストライブ「℃-ute ラストコンサート in さいたまスーパーアリーナ〜Thank you team℃-ute〜」。アンコールの最後の最後に℃-uteの語呂合わせで夜の9時10分ちょうどに時計が止まって℃-uteの活動も終わりマジで心臓止まる思いがした。ライブ自体はメンバーもファンもみんな望んでたようにキャリアでもっとも大きくかつメンバーのほぼ地元でもあるさいたまスーパーアリーナが会場という時点でもう最高だったんですけど。

そして3発目は、6月30日にお台場・青海野外特設会場で行われたももちこと嗣永桃子さんのラストライブ「嗣永桃子ラストライブ ありがとう おとももち」。ハロプロでは例のない野外での引退公演が実現してお祭りだった。ステージの去り際にももちは、それまでファンの愛を受信するためにピンと立てていた小指をそっと折りたたみ、そのまま舞台の奥深くへと沈んでいってしまった。この様子を「ターミネーター2」でシュワちゃん溶鉱炉に沈んでいくシーンに見立てる人もいました。

小指を折りたたむことで、アイドルを自らやめることを伝える。気が利いていながらも、あまりにせつない演出でした。そんなももちのラストを見送る僕は少し笑ってしまいながらも、あのバックスクリーン3連発で岡田のホームランを為す術なく見送ったクロマティのように、ただ呆然としてその場に立ち尽くしたのです。