「漫才は宇宙だ」ナイツの師匠・内海桂子の漫才論

5 日放送の「徹子の部屋」にナイツが出演してました。

ナイツは「徹子の部屋」にまつわるヤホー漫才を披露して「黒魔術徹子」とか言ったりしてましたが、なにより全体を通してトークの中心となっていたのは、ナイツの師匠である内海桂子の話題でした。

桂子・好江のコンビで長らく活躍し、内海好江亡き後もひとりで舞台に立ち続けている、御年 87 歳の大ベテラン。ウッチャンナンチャンの師匠とも言われてますけど、いわゆる「師弟関係」としては「一門」に入っているナイツのほうがより本格的なようです。

内海桂子は数々の教えをナイツのふたりに授けているようですが、いかんせん大御所すぎるがゆえ、ナイツの感覚とはかなりのギャップがある様子。またそこが傍目からは面白い。

ナイツと内海桂子の関係性、そして黒柳徹子のいつものアレをおたのしみに。



・師弟関係

黒柳:内海桂子さんとこの弟子になった?
土屋:そうなんです
塙:そうですね
土屋:漫才の師匠が内海桂子さんで
塙:今から 7 年前ですかね
黒柳:じゃあもうわりとデビューしてすぐですよね
塙:デビューしてすぐに浅草の漫才協会というのがありまして
そこの協会員になったときに誰かの弟子になるという形をとってまして
内海桂子師匠の一門に入ったんです。それが 7 年前なんです
黒柳:いろいろ教えてもらいになったんですか?
塙:いろいろ普段からお世話になってます今でも
土屋:おかげさまで元気で
黒柳:怖くないですか?
土屋:そうですね。ぼくらはぜんぜん厳しくされなかったというか本当に優しい師匠で
黒柳:もともと漫才の方でいらっしゃいますのでね
土屋:旦那さんと仲がいいので
ぼくら内弟子みたいな感じでお家に行ってお手伝いとかっていうの
あんまりしなかったんです
黒柳:アツアツなんで
塙:ちょっとアツアツなんですよ
土屋:もう本当に旦那さまとラブラブで
黒柳:お邪魔じゃないか
土屋:邪魔しちゃいけないんで

内海桂子のご主人がマネージャーを兼ねていて、仲も良く、
だから弟子といえども「邪魔しちゃいけないから」
という理由で深入りはできない、というちょっと珍しい話。


・深すぎる漫才論

黒柳:(漫才を)ちゃんとやってないとズルズルやってると桂子師匠に叱られたりするでしょ
塙:怖いです
土屋:ピシッと気を引き締めて舞台に立たないと…師匠が見てますからね
黒柳:笑いというのは不思議なもので、ズルズルしてるとお客さんヒュッと笑わなくなるでしょ
土屋:そうですね
塙:師匠の言うことがちょっと凄すぎてわからないときがありまして
黒柳:たとえばどんな?
塙:最近は「漫才は宇宙だ」って言ったんですよ。これ未だに理解できないです
黒柳:「漫才は宇宙だ」? ほぉほぉw桂子さん
土屋:あんまり細かいことは言わないんですけれども、そういう大っきい指針を示されるんですね
塙:「地球が回ってるようにあなたたちも回ってるのよ」って言われたんですけど、よくわかんないんです
黒柳:でもスケール大きいじゃないですか?
塙:スケール大きすぎてちょっとわかんない
黒柳:「ちょっとそこそこの劇場に出ていくらいくら稼いでおいで」なんていうんじゃないから
土屋:セコいことは言わないですよねやっぱり
黒柳:「漫才は宇宙だ」
塙:「漫才は宇宙だ」って。(桂子本人は)台東区に住んでるんですけどね
土屋:いいでしょ別に。住んでるところはいいでしょ
黒柳:「宇宙と一緒に回ってるのよ」って? 相当すごいな。深いですよね
土屋:87 歳だからこそ言える
塙:もしかしたらもう、宇宙に行ってるのかも知れないですけどね。半分くらいは

※87 歳の語る「漫才は宇宙だ」は
あまりにもスケールが大きすぎてナイツも笑うしかないようですが、
ただその話を聞いている黒柳徹子も既にその域に入ってるような気がします。
本能的に理解を示しているようですらあります。


・スーツの教え

黒柳:おふたりは絶対スーツで出るってお決めになってらっしゃるんですって?
土屋:そうですね。やっぱり漫才で出させていただくときは
これはもう桂子師匠から言われて。
「スーツにネクタイだよ」って言われまして
黒柳:いろんな格好して、みなさんなさいますけどもね
土屋:若手のライブとか私服の方が多いんですけど
ぼくらは漫才のときはスーツで
ま、これが似合うんで。妙に
塙:私服だと誰かわからないときがありますんで
黒柳:サラリーマンみたいな
土屋:もう、こういうキャラクターで

土屋の自信。たしかに似合います。


・「桂子師匠からの手紙」を黒柳徹子が代読

今から 8 年前。横浜の舞台。


マネージャーに「持ち時間 15 分」と告げられて、必死にやったけど、 8 分で降りてきた。


「何だ、どうした?」と近づいたら、二人ともワイシャツまで汗びっしょり。
冷や汗半分、しかし熱演の汗も半分と納得しました。


それ以降、生の舞台を大切にして研鑽を続けてきたのが今日に繋がってると思いますよ。


漫才は時代の太陽でなくちゃなりません。


まだまだがんばってしっかり勉強して、世の中を照らし続けよう。
そういう覚悟でがんばってください。


ナイツ 塙君 土屋君へ


内海桂子より

「漫才は時代の太陽でなくちゃなりません」
は次代の漫才師に力を与える名言だと思います。


・やっぱり「南京玉すだれ」が好き

黒柳:(写真を見て)こんなふうに一緒に舞台に出てらっしゃるときもあって
土屋:師匠に踊りを教えていただきまして、これは「かっぽれ」ですかね
塙:「かっぽれ」かな?
土屋:もう師匠くらいしかいないですからね、踊りを教えていただいたりとか
あと「南京玉すだれ」とかああいう芸をやりなさいと言ってくださったりとか
黒柳:南京玉すだれできるの?
塙:できますできます
黒柳:あたし大好きなのアレ!
塙:あ、ほんとうですか?
黒柳:♪あ、南京玉すだれ、とか
土屋:今日それをやればよかったですね
塙:失敗したなー
黒柳:あたしアレ好きなんですよー!(裏声で) どうしたらあんな風にできるんでしょうね
塙:南京玉すだれのほうが、いちばん(黒柳が)元気になった
黒柳:ぜんぜん今の漫才でもいいんですけど、南京玉すだれあたし大好きで、なんだってあんなふうに変えられるんでしょうかね
土屋:ねー教わったんですよ
塙:桂子師匠がまったく同じで、ぼくらのヤホーの漫才があんまり理解できないみたいなんですよ
黒柳:うんうん
塙:で、やっぱり南京玉すだれのほうが好きで
南京玉すだれといえばナイツ」みたいに師匠なってて
師匠がお正月にやってる会とかに呼ばれるんですけど
もう南京玉すだれ以外させてくれないんです
黒柳:あたしはもうちょっとあなたたちの漫才のほうが新しくて面白いと思いますよ。創作的だと思います
ただ南京玉すだれってのがなんであんなに面白いのかな? とは思います
塙:本当ですか。♪さては南京
塙・黒柳:(ユニゾンで)♪玉すだれ
黒柳:すごいいろんな形になるんですよねアレ
塙:釣り竿になったりとか
土屋:若手芸人でやっぱああいうのできる方いないので
黒柳:だからせっかくね浅草でそんなね、あの、やっぱり漫才の中にお入れになって?
土屋:そうですね、敬老会とか行ったりとか
黒柳:お年を召した方お喜びでしょう? 懐かしいし。あれ綺麗ですもんね見たときにね
あれ折れたりしないの?ガラスで
土屋:ガラスじゃなくて竹でできたやつなんですけど、ヒモが切れたりしますね
塙:よく切れます
黒柳:なるほどやってる間にいろんな形にするんですもんね
塙:そうなんですよ
黒柳:じゃあぜひ今度あのね、あれ好きなんで、またいらしてw
塙:ぜひお願いしていいですか?
土屋:やらしていただければ
黒柳:♪南京玉すだれ(そのまま CM へ)

この日、黒柳徹子のテンションが最大値を記録したのが
なんと「南京玉すだれ」の話題でした。声が裏返ってた。


いわゆる「徹子の部屋芸人」の傾向と対策としては
南京玉すだれ」をやればいい
という結論が出てしまいました。