幼年期

まずは金曜日、夜 9 時から職場の忘年会の二次会でカラオケ。2 時間。ベタなカラオケスナックに集ったのは一次会から誰ひとり欠けることなく集った『 10人 』である。

先にやったもん勝ちだな、とぼくは開始早々ベタベタに「青春アミーゴ」を選曲、♪ SI! と軽やかな産声をあげた。もちろん歌うだけじゃ能がないので PV や歌番組をヒントに独学で会得してきたダンスを冷静と情熱の間で披露。いつのまにか沸き起こる手拍子。歓声。やぁ大にぎわいだ。ミリオンは強し。ただその喧噪のどさくさに紛れて間奏でこの日ぼくが仕事で犯したしょぼいミスについてセンパイ風情からあらためて大々的に野次のお言葉を頂いたりして多少げんなりもしたが気にしない。

やがてエンディング、最後にひとつターンを決めたところで沸き起こる万雷の拍手。そして職場の人たち一人一人となぜか握手。♪ SI! の産声は、たくさんの大人の笑顔に包まれたとても幸せなものだった。