採血で失神した話

先月4月下旬に会社の健康診断を受けました。
年に1度の定期健診。福利厚生の一環というやつです。現在ぼくの身体には特になんの異常も見られないのですが、無償なのでありがたい話です。


ただ、採血のあとに失神しました。


今回の更新は、日常雑記的なそんな話です。


血を抜いたのはこれが初めてのことではもちろんありません。
チューブ的なものを腕に巻かれて血管を浮き立たせ、小さくて細い注射針を3本。チクチクチクと連続で刺されて、そのたび血液が吸い取られていくのをじっくり見ていました。
ある程度チクチクしようが血液を抜かれようが、それなりの痛みはあるものの、さすがに大人ですのでどうということもない。注射を持った看護婦さん的な女性から「手がしびれたりしませんか?」「具合は悪くありませんか?」などの質問を受けようとも、毅然とした口ぶりで「大丈夫です!」。まさに泰然自若といった塩梅でその場を悠々とやり過ごしました。


やり過ごしたはずでした。


採血が終わり、次の身長・体重測定に備えるため、針を刺されたところにガーゼ的なものを静かにあてながら、椅子に座ってじっと待機します。


と。


あれ、やばいやばい。気持ち悪くなってきた。


視界がぼんやり暗い。耳もなんだか遠い。息苦しい。冷や汗ダラダラ。全身がちょっと耐えがたいようなおぞましさに襲われる。なにも考えられない。わからない。


徐々に徐々に、意識が遠のいてきました。


次の身長・体重測定に備えて係の女性に自分の名前を呼ばれるのがかすかに聞こえます。でも、それどころじゃない。ハァハァ息を荒げながら、その場を一歩もまったく動けません。


「大丈夫ですか?」


かすかに聞こえる呼びかけにろくに応じることもできない。


気がつけば車椅子的なもの(どんな形状かもわからない)に乗せられて、別室に運ばれていました。


失神してしまいました。


そのまま別室のベッドに仰向けに寝かしつけられ、血圧を測定されます。たしか「上が80で下が50」みたいな数値を告げられたような気がします。朦朧としながら「おいおい、それって」とよからぬ予感が頭をよぎりました。


とはいえ。


ベッドに仰向けなって休んでいると、少しずつ意識は回復。手渡された水をがぶ飲み。超おいしい!!


「足をあげて寝ていてください」ということなので、そのまま5分ほど仰向けになって休んでいたら、なんとかようやく元の身体状態に戻りました。

そして結局あとは何事もなかったかのように健康診断を終えましたよ、といった一部始終なのです。


採血をきっかけに意識を失ったことに、とにかく自分でもびっくり。

でもそういう状態はよくあるそうで、失神に到るまでの経緯や、速やかに回復したことを鑑みると、おそらく「血管迷走神経反射性失神」という症状のようです。針が痛いよぅ、でも我慢すれば平気だよぅ、みたいな気持ちの問題というより、もう身体のほうで反射的にそうなってしまうらしい。


ついさっきまで健康体だったのに、あっけないなぁ。

人間の身体は自分の意思の力ではどうにもならないのだなぁ。

そう深く思い入りました。


ちなみにこの採血も含めた健康診断の結果が、本日判明。
あらゆる数値になにひとつ異常がない。完全なる健康体でした。


……ほんとかな??


でもとりあえずよかったです。来年の採血が今からドキドキです。