朝青龍は本当に「ガッツポーズ」をしたのか


問われっぱなし


平成二十一年初場所に崖っぷち横綱として臨んだ朝青龍が、白鵬との優勝決定戦を制して優勝を決めたのは記憶に新しいところです。

で、優勝が決まった際、朝青龍が「ガッツポーズをした」らしく、これが理由で横綱審議委員会から「横綱としての品格を問う」意見が出ました。

その意見は武蔵川理事長から高砂親方にわたり、朝青龍も「反省している」と言っているそうです。

おつかれさまなことです。


ところで、はたして朝青龍は本当に「ガッツポーズ」をしたの?

という疑問が自分の中にふと生じましたので、今回の更新ではそれを解消することにします。

こういう重箱の隅から残りカスをほじくり出すような意見が生じてそれが世に広まる場合、多くの人は情報を後追いで確認するわけで、ヘタこきゃ「ガッツポーズをしていない」という可能性すらあるのです。



浪越徳治郎よろしく親指を立てて指圧の心を説いていたのかも知れません



ちなみに「問題」の取組を、ぼくは生放送で見ています。

・優勝決定戦という究極の取組だったこと
・決着がついたときの朝青龍の大銀杏がひどく乱れていたこと
朝青龍がこれでもかという満面の笑みを浮かべていたこと
・客席からバカが投げた座布団が朝青龍の顔面に直撃していること
・刈屋アナによる「時代を引き戻しました!」という実況

これらの濃ゆい成分が五感を刺激しまくりで、とてもじゃないけど「ガッツポーズ」なんて気になるような状況じゃありませんでした。


そこんところの動画を YouTube あげてくださる方がいるのでご紹介しておきます。


あらためて見たところでは、朝青龍は少なくとも三度、「両手を掲げる」という行為に及んでいました。

浪越徳治郎よろしく親指を立てたり、ダブルピースしたり、局部を露出したりは残念ながらしてませんでした。

【一度目】勝利が決まって土俵を降りる直前
たしかに土俵上で「ガッツポーズ」してました


【二度目】土俵を降りて一礼したあと
ガッツポーズというより両手を「パー」の形にした「バンザイ」です


【三度目】花道を引き上げるとき
通路際の客と次々「ハイタッチ」しながら花道を引き上げていきます

強い印象としては「客からの声援にきちんと応えている」です。

優勝してフルテンションの朝青龍と、熱気に溢れた満場の国技館の客とが、お互いに呼応しているのです。特に花道でのハイタッチなんて「きさく」そのものでしょう。


朝青龍の「素行不良」が咎められるのは仕方ないことです。舞の海をもっと敬いなさい。

ただ、この場面の朝青龍をわざわざピックアップしてなんやかんや注意するのは、あまりにも野暮で、無粋で、興ざめなことです。



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