「卵とじカツ丼」の葛藤

稲森いずみが出演していた 11 日放送の TBS 系「チューボーですよ!」はテーマが「カツ丼」でした(公式サイト)。

ホッカホカのご飯の上に揚げたてサックサクのトンカツを乗せてさらにその上から溶き卵をドバー! もしくは溶き卵の中にトンカツを投入してグーツグツグツ!(煮てます)

あぁスタンダードなカツ丼です。その製法から「卵とじカツ丼」の異名を持っているらしい。

こまかな調理方法には千差万別さまざまあるでしょうけれど、少なくとも『白飯×トンカツ×卵』というプラスとプラスしか掛け合わされないスタンダードメニュー=「カツ丼」は日本人の生活に根ざしまくった最強グルメの一種であるとの称号を得るのもムリはありません。

チューボーですよ!」で稲森いずみが炎の料理人三つ星シェフ堺正章小林麻耶アナとつくったカツ丼は、味が濃かった以外はほぼ文句ないみたいな出来だったようで、☆は二つ半。単純に「飯(めし)」としても美味そうだったしサントリーのビールもよく合いそうでした。


でも、こうやってまた騙されるんです、「カツ丼」ってやつには。


テレビの料理番組で試食してるのを見たりたまに記憶の奥底から思い出したりしては、左脳で「こんなの美味いの一択だろ」と夢想しては、実際に昼飯とか夕飯とかでカツ丼を食べてみるんです。何回かあったなそんな食欲に任せた行動が。

でも結果は「うーん・・・」とうなるばかり。ことごとくカツ丼の出来が今ひとつなんです。まだ人生で一度も「これや!」と納得できるカツ丼に出会ったことがないのです。


カツ丼に関してすごく根本的に致命的だと思うのは、食感の問題。

せっかくサックサクに揚がったばかりのトンカツなのに、おりゃ、とき卵ドバー! ってもう一瞬にしてベッチャベチャにしちゃうのが、耐えられない。あぁ台無しだって肩を落とす感じになるんです。あまつさえ「トンカツごと煮る」製法なんて正気の沙汰とは思われません。

とき卵ドバー料理としては鶏肉つかった親子丼も、あるいは牛丼なんかも、さほど食感が損なわれることがないです。

でもトンカツの衣のせっかくのサクサク感を帳消しにしてしまうというのは、自殺行為に等しいのでは・・・これではせっかくのトンカツ内部に染み渡っている肉汁のジューシーさも相殺です。

まぁそれこそ「チューボーですよ!」に紹介されてたような「街の巨匠」のお店できちんと味わってみれば、もしかしたらまっとうなカツ丼に出逢えるのかも知れませんが、食感の問題を解消してくれるかどうかはわかりません。

Wikipedia - カツ丼の項より抜粋

卵とじカツ丼は、現在、日本で最も一般的なカツ丼である。一部地域を除いて単に「カツ丼」と呼んだ場合は、この卵とじカツ丼を指す。卵とじカツ丼の具は、玉ねぎとトンカツを割り下(出汁と砂糖と醤油で作る日本料理の基本的な調味料)で煮て、溶き卵でとじたものである

おそるべきポピュラー&スタンダードな「卵とじカツ丼」の勢力よ・・・。



↑個人的にはこれくらいのサクサク感が醸し出されておればちょうどいいんですけどね(また妄想)