食い逃げ中華料理

9 日は Zepp Sapporo にほど近い場所に位置するホテルの中華料理屋で職場の先輩(♀)の結婚お祝い食事会があって、食って飲んで酔っ払って騒いだあげく一気に黙り倒したけど結果的に満足だったしもっと食いまくりたかったなァ、というとてつもなくごくふつうの日記をしたためます。

特に何もミーハーなことはありません。

ゲテもの腐りものなどよほどの食品以外はたいていのものが基本的に何食っても美味に感じられる貧乏舌の身の上ではある。でもうめぇものは輪をかけてやっぱりうめぇ。で、その中華料理屋の公式サイトからメニューを適当に拾い集めてみると、いちいち舌の記憶が甦ってたまらない。興奮した!

一品目、しゃっきりと歯ざわりのいい緑黄色な冷菜の盛り合わせに端を発してまずはビールで乾杯。次にホタテと烏賊のミルク炒めのクリィミィな味わいを経て、牛ロースの豆板醤炒めに至る。野菜、魚、そして獣肉。と、早くも三拍子の揃ったここまでの段階で既に酒のつまみとしての充足感に溺れる。

四品目くらいに赤茶けたような謎のスープみたいなもんが出てきた。いったいこの赤みは、キムチ? 卑近な例しか思い浮かばず悩んだが、聞けばなんと「ふかひれ」だという。口をつけてみれば、恥ずかしながら今まで見たことも味わったこともないジュルジュルうまうま具合に悶絶した。生まれ育ちが金持ちなら決して味わえない齢 29 の新食感であった。マジ庶民すぎる。

定番の海老のチリソース煮はボリューム感たっぷりかつピリ辛のプリップリ。あとはチキンとか小鉢チャーハンとかいろいろ出てきたはずなんだけど戯れに紹興酒を飲んでしまったこともあり途中の食の記憶がない。

やがてシメに出てきた杏仁豆腐のなめらかとろける大人の旨味には黙々とウットリした。

おまけに結婚祝賀で発起人の上司がサプライズで用意した巨大な台形ケーキも苺をふんだんに使用した豪奢な一品で、スイーツ脳のぼくとしては外聞をかなぐり捨ててパクつきたかったが、あまりにも膨満感に充ちていたため涙を呑んで一片のみに留めた。

総じていつもの居酒屋の倍の出費ではあった。けれども逆に居酒屋二回行ったつもりでこの中華料理が食えるのなら、たまにはこういう贅沢もいいのかもなー、と、メタボりつつある腹をさすりながら自制心が働かない。