いししば CDS ディナー編

広尾ラ・クロシェットに到着しても豪雨で入場の手続きをする列も辛うじて屋内とはいえ外から吹き込む雨風にさらされる悲しいヲタの葬列。あまりにもひどい天候なので見ず知らず初対面のヲタの人とも「すごいですねぇ」などと挨拶を交わしてしまうなどフレンドリーな入りとなった。身分証やファンクラブ会員証、払い込み金の受領証等を呈示して第一関門クリア。ハロコン 2007 夏の DVD を購入したのと引き替えに石川さんと柴田さんふたりの直筆サイン色紙を手に入れる。CD ジャケットサイズでコンパクト。所詮「字」に過ぎないのだけれど、やっぱりこれは単純に嬉しいです。販売促進のための術中にハマってるだけとはいえ、そこはまんまとハマるしかない。サインでその人の筆遣いから息づかい、リズム、実際に書いているときの表情や姿勢等が、たとえ空想の範疇を出ないとはいえ、如実にわかるものである。前回石川&大谷 CDS ではもらわなかったけど、いししばはもらうしかない。

座席に座ってクラクラディナータイムの始まり。真向かいの座席のヲタと軽く挨拶をする。しかしそこからが地獄の時間で、特に親しいわけでもなくそれどころか軒並み初対面の周囲のヲタの人たちといきなり集まって話が弾むかといえばそうもいかず、ひたすら沈黙のまま黙々と飯を食うハメになった。ぼくは平素から寡黙な性質だけれどそれでもちょっとは話したい。しかしあまりにも周囲のテーブルの人たちも揃いも揃って沈黙を貫き通してカチャ、カチャ、とスプーンやナイフの音だけが響く淋しい光景の中で浮くわけにもいかず、人見知りというか出る杭は打たれるをモットーに生きる日本人ならではだなと自嘲しながらも、結局ディナータイムの間は一言もなにを会話するでもなく、まぁこんなもんだよなとショーの開始をひたすら待望するのであった。

ちなみに出てきたメニューは「フランスパン」「香草野菜のバーニャカウダーディップ」「地鶏とマッシュルームのサワークリーム煮」「バナナシフォンケーキ」「コーヒー」であとこれにドリンク一杯無料サービスでぼくはジントニックを注文したのだが正解は赤ワインだったかも知れないなと隣の席のヲタが赤ワインでパンや地鶏を美味しく召し上がっているさまを横目で見ながら軽く後悔した。料理自体は決して不味いものではなかったがそれ以前の問題として特にわざわざ上京したりジャケット着用したりするなどしてあらたまってフォークとナイフでちょこまか食うほどのもんでもないよなとは思った。前の日に中華料理チェーン店で食った 1,000 円もしないあんかけチャーハンのがよっぽど美味かった。