モダンでハイテクでマイコンな現代社会においてこの作品の CG 技術レベルがどれほど巧みなものか僕には判断がつかないけど、要は「もしもスキージャンプがペア競技だったら？」といった素朴なアイデアに材を取った架空の競技中継を限りなくリアリティ豊かにお届けするという最大級にくだらないことを完遂するためには CG というのはあくまで作品世界を構築させるための技法の一種に過ぎなくて、コンピュータを使ったグラフィックとしては目にあまるほど稚拙であるなどして目障りのお邪魔にならなければ可、そして結果的に無論そんな稚拙とかいうことではないのだから、それを考えると作品としては完璧と思う。目にあまるほどくだらない。今作品では最終的にジャンプ台から宇宙へと飛んでいった。
この作品の首謀者であるところの真島なんとかという人はたぶんド変態さんで、もちろん作品の中軸はスキージャンプ・ペアなのだろうけれどこの DVD シリーズには他にも常人に理解不能のミニコントというか、なんとも形容しがたい映像作品が多数収録されている。鳩やボーリングのピン、ボーリングの球などへの異様なまでの執着などホラーである。その点シベリア超特急ネタはわかりやすくて安心するし、なにより水野晴郎ちゃん本人の出演（むしろこの DVD の実質的な主演）で単純に大爆笑。あと首謀者の真島という人もそうだしスキージャンプペアの実況アナ役の茂木淳一という人も実写でほぼ終始この DVD に顔を覗かせまくっているのだけれど、この二人のコンビってのは無意識レベルで抜群に相性が合うんだろうなぁって率直に感じる。ホモとかじゃないんだろうに単純にごろごろじゃれ合ってるんだもん。
