何を述べたか

さてハロメンさんたちと握手をするさいの最重要課題、悩みのタネ、うれしい宿題といえば「握手のときに何を申し上げるべきか」でありまして、後悔のないようにビシッと日ごろの思いのたけをぶつけたいところでございます。

ただ、いざ実物を目の前にすると、そんな目論見は儚く吹き飛びます。場の空気。言語能力。緊張感。あらゆる環境因子が思考回路を大幅に狂わせまして、シミュレーションとはまったく別個のものと成り果てるのが握手のときの一言。

ウケを狙いたい、という醜い願望はたしかにありますよ。はいはいまったく悲しいサガだ。ぼくも時間の許すかぎり何通りか事前に何を言うべきかと最低限の用意はしてきまして、一例としては「ウィンクしてください」。これ最有力候補だったんです。石川さんのウィンクはその出来なさっぷり、顔面筋肉のひきつりっぷり含めて最高に惚れ惚れしますからね。

でもハロパのコンサートの MC とか、あと新曲とかでウィンク連発してることが判明し、泣く泣く断念したのです。いやむしろハロパとか関係なく、たとえウィンク連発してなくてもどっちみち握手の列に並んでいる間に「なにがウィンクか」と自己嫌悪に陥って廃案にしてました。とにかく緊張感がすさまじいのよ。


ちなみに大谷さんに関してですが、ふつうに「札幌から来ました」って言いました。大谷さん札幌出身だし、ぼくも札幌から来てるし、これしか言いようがない。で案の定、「ほぉ!」みたいなナイスりアクションの大谷さん。そりゃ反応してくれます。後ろめたさはありません。

ただしそのあとがいけない。メロン記念日はぼくもまぁ好きですから札幌にライブやイベントでいらっしゃるかぎりはなるべく足を運ぶようにしているのですが、そこで「札幌でまたメロンのコンサートが見たいです」とかなんとか凡庸なセリフを吐いてしまえばよかったのです。

ところがすっかり気が動転してしまいまして、「あのメロンの単独コンサートが、たしか 2 年前の、駒大苫小牧夏の甲子園で初優勝したときに行われて以来、一度もないんですよね・・・」とむりやり話を広げようとしてしまったのです。しかもそのセリフとて緊張感ゆえにめちゃくちゃ噛み噛みですから、正確には「あの、メロンの単独コン、駒苫、ま、また来てください」とまったく何を言っているのかよくわからない状態になり、背後から係の人に「はいはい」とひっぺがされてしまいました。良き思い出です。