お上品リアクション芸人

巷では CBC ラジオ「ちゃんチャミ」12 月 1 日の放送で発表された石川梨華セレクションのハロプロ珠玉の 8 曲が話題をかっさらっているようですけれども、ぼくは未だに 24 日放送の「自分に関するクイズに答えられなくて罰ゲーム」の一コマが消化しきれないでいる。

何回もその部分だけ聞き返している。


石川さんが飲まされたのは沖縄産の苦い健康ドリンク「がじゅつ」とやら(表記不明)。なんだかとってもすごい「土色」をしているらしい。

石川さんはそのにおいを嗅いでみて「あぁ危険ですねコレ」「なんかハーブのかおりがする」。しかしもう一度においを嗅ぐと

「ああッ! ううッ!」

といやなうめき声を漏らした。

「マジでマジで? ほんとに飲むのコレほんとに?」「ふえぇぇぇ?」

しかし、とうとう観念して「(息を漏らしながら)いただきます・・・」とテンション低く飲もうとする石川さん。ただし「これ罰ゲームじゃんこれ罰ゲームじゃん」とわかりきった再確認を何度もするなど最後まで往生際は悪い。


一瞬の静寂。


「ウッうぇッ、ハっ!  たいへん!!


たいへん!!(爆笑)

ぼくもバラエティ番組の罰ゲームは数多く見ているが、まずい飲み物を飲まされた第一声で「たいへん!」というリアクションに遭遇するのは初めてのことだ。この言語感覚。これが石川さんだ。上島竜平からこの一語は出てこない。

「ゲホッゲホッ。にが〜い(泣きそうな声で)」「ちょっとひと口で勘弁して欲しいなぁコレ(とんでもない猫なで声でスタッフに懇願)」「わーすっごい口に残る・・・たいへんコレたいへん! もうコレ喋れないわたし!」「えーちょっとほんと口の中たいへんなことになってるんですけど」

饒舌であるが、ともかくエロい連想はやめにしようではないか。

「ハイ、ということで・・・わたし罰ゲームでした。以上、『クイズ石川梨華』でした・・・なーんかガッカリだなぁ・・・でも、これ聴いているみんながもっとガッカリですよね。でも、うん、ガッカリしてるわたしも、たしかに。ちょっともう一回、自分を見つめ直す時間をください(笑)」

ラジオ生放送中に「自分を見つめ直す時間をください」とかよくできた冗談ですよ。


しかもエンディングではラスト一分を残したところで衝撃のカミングアウト。この「クイズ石川梨華」で全問正解をすれば食べられるはずだった「ごほうび」の甘いデザートを、なんと食べてしまったという。

「もうあのー、隠しごとはナシなんで言っちゃいますけど、さっきあのー罰ゲーム、飲んだでしょ? ほんっとにマズかったんです! ほんっとにマズくて、もう口の中にすごい味が残っててたんで、ちょっとごほうび、ちょっと頂いちゃいましたアハハハ(笑)」

ごほうび頂いちゃいましたアハハハ。なんて無邪気な。

「(笑いながら)だって口ん中が、ほんとにお水飲んでも、いくらお水飲んでも、口ん中(※ここで「ジュルジュル」という音) あ、つば出ちゃった(笑)」

つば・・・。

「ほんっとにもう『喋れなーい!』と思ってー、『食べていいよ』ってスタッフの方に言ってもらえたので、ちょっと食べちゃいました(笑)。だからそのあとはもう元気にしゃべれたんですけど、なんかちょっと罪を感じてしまったんで」

罪・・・。

「最後になっちゃいましたが、ちょっと、報告ですッ」

ご報告おつかれさまです。


しかし繰り返し主張したいのだけれど、この石川さんという人は声も、声の抑揚も、しゃべる内容も、言語感覚も、ドジッ子ぶりも、律儀な性格も、もう、なんていうか、あ〜あ。