勝手にお金が転がり込んでくる

かつて DonDokoDon山口智充の歌ってよし喋ってよしモノマネしてよしなオールラウンドのタレント性を評して「こいつ一生食いっぱぐれること無いだろうなぁ」とか絶賛していたのが、はたして今田耕司みたいなぐっさんに近しい吉本芸人だったか、それとも「笑っていいとも!」放送終了後のトークコーナーでの誰かだったか、それは忘れてしまったけれども、美勇伝1st アルバム「スイートルームナンバー1」のクライマックスに配置されたキラーチューン、M-11「パジャマな時間」における石川梨華の猫なで声とろとろ歌唱を聴くにつけ、この石川という人も将来的にはただ身綺麗にして背筋をピシッとただして歌っているだけで、むこうから勝手にお金がごろごろ懐に転がり込んでくるような愉快な生活が送れそうな、それくらい世間からの一定の需要を保ちながら生活していけそうな人であるなぁ、と羨ましさ半分あるいは背負った十字架の重さに同情半分、で思っている。だって歌のうまい人はいくらでもいるが、こんな、もうこんなウィスパーな耳元で囁くようなとんでもない声で歌ってしまえる人は、そうはいないのだもの。別にロリロリを狙っているわけでもなく、アニメ声優のようなあざとさ(よく知らないけど)もなく、しかし少しだけ己の過剰さには意識的で、で本人ルックスそもそもかわいいわでもう昇天するより他に術がない。傑物じゃぁ。そもそもファーストライブにおけるソロ歌唱「 100 回の KISS 」で既にヤラれているおめでたい身分としては、この M-11 における石川が曲中のわずか一部分のすなわちサビとあとちょっとした A メロ B メロだけしか歌っていない、という、こんなせせこましい分量配分については誠に残念であると遺憾の意を表明せざるを得ず、「全編石川ソロでもいいのではないか」「いやさむしろそれを全力で所望したい!」という自己中丸出しな欲求に抗えないでいるのだ。すなわち石川はデビュー 5 年をもってしても未だ掘り起こされざる潜在能力をまだまだ大いに秘めているということである。この人はまったく本当に底が知れない。先のことを考えてもルックスの否めない劣化とかに比べて「歌声」ってよほどハードスケジュールで喉を酷使して痛めつけたり酒で潰してしまったりしないかぎり、そんな大きくは変質しないわけで、もうこれは先行き極めて安泰ではないだろうか。それはぼくにとってもそうなんだけど。このジャケ写のできばえと声で石川梨華はあと 20 年はイケるな。太田裕美とか石川ひとみとかみたいに。歌唱力なんて他の人に任せとけばいいじゃんか。あぁ「エキゾなDISCO」はたしかに後藤真希の曲で正解なんだけど、この調子で石川梨華バージョンが聴きてぇーなー。