聞く耳

ハロプロの楽曲はほんとよく聴くんだけど、歌詞はほとんど耳に入っていない。いちど歌詞カードにチラッと目を通したらあとはそれっきりということがほとんどで、つんく♂のおっさんの女の子目線にてのたまうかわいい言辞など、おおむねどうでもいいと思っている。

けれども、あらためて歌詞を冷静に追いかけて聴いてみると、けっこうはっきりとした物語性が浮かび上がってきて目ウロコだったりもするもんである。

たとえば今の季節にぴったりの美勇伝の「銀杏〜秋の空と私の心〜」なんて、うっかり梨華ちゃんの官能スキャットヴォイスに脳をやられがちであるがそこはグッとこらえて大人になって歌詞世界に想いを寄せてみると、いかにも梨華ちゃんらしい勝ち気と上品さと幼さとおっちょこちょいがほどよく配合されており、またその背景には季節感たっぷりな風景描写が横たわってもいて、これは街歩きに口ずさみたい一曲だなと感じているのです。

でも曲中に入る「フゥー!」っていう素っ頓狂な発声の意味は今でもよくわからないんだけど。ミディアムテンポの渋い曲なのに。