10 回目[中心]

高橋愛が後ろ暗いところを微塵も見せることなく終始堂々と歌いっぱなしだ。全盛期の後藤や安倍でもこんなにあからさまだったか、というくらい全面にフィーチャリングされている。

多少ピッチに問題はあるらしいが総じて安定感のある歌唱、最近やや肥えたらしく野暮ったい感じに見えもするが総じて過不足のない魅力的なビジュアル、そして総じて過剰なダンス。もはや貫禄さえあって、さほど話題にも上らないセンター・高橋だ。

しかし一方で、所詮この人事も消去法による結果じゃないかとか思ったりもする。

高橋愛は、愛されていない。

勝手な独断で申し訳ないが、「わかりにくい」。もうここに尽きると思う。「アロハロ高橋愛 DVD 」とか見ても、藤本美貴石川梨華のレギュラー番組の代役として CBC ラジオでいきなりパーソナリティを勤めたりしてそれなりに及第点のおしゃべりをこなしているのを聞いても、それでも、さっぱり捉えどころがわからない。

このわかりにくさを一時的にとはいえ翻訳してくれたのが「二人ゴト」での新垣里沙だったのだが、それは番組の構造が 2 人だけのトークに終始するもので第三者が介入した途端にその高橋・新垣による少しふしぎな空間も乱気流に飲み込まれざるを得ず、あまつさえ新垣が己のペースで「わかりやすいわかりにくさ」みたいなもんを体現して急激な伸びを見せている一方、キャラクター的には高橋が新垣の後塵を拝してしまっている印象さえ受ける。

高橋は一度テレ朝系「マシュー TV 」のヒットコーナー「なまり亭」に、田中れいなと一緒に出るべきである。