ジーンズの下の劇場

先週8月26日(金)発売「FRIDAY」9月9日号に吉木りささん4ページ。これがふつうのグラビアとはちょっと様子が違います。
この写真群は「吉木りさ×妄撮プロジェクト」の一企画。J-WAVEの深夜番組「RADIPEDIA」と連動したものでもあります。吉木さんはFMラジオ局で一生懸命に働く女性=「CDの売り込みに来るプロモーターさん」「徹夜で働くADさん」「黙々と働くミキサーさん」3人に扮している。


ただコスプレをしているだけではなく、そこは「妄撮」。
色気もそっちのけで働く女性に一見みえるのだけど、実はその内側には淫靡なアレがいろいろと隠されていて……みたいな基本的な思想にのっとっている。写真が掲載されている誌面が次元を超越してビリビリと切り裂かれることで、なんと服の下のランジェリーがあらあらまさか秘め事のはずが露になってしまう、というダイナミックな手法。
服を着て仕事してる姿を見て、まったく同じアングルから下着姿を見て、もう一度服を着て仕事してる姿を見て、と横断歩道を渡るような安全確認のその先には、「なるほどその服の下には、なるほどなるほど」。
時空を歪めて、SF的に妄想をさまよわせることで、ひとつ真実らしきなんらかの新たな確信を得てしまう。なにげなく服を着てたたずんでいる日常的な姿をこれ以上モヤモヤした脳で見ざるを得ないような仕掛けはないと思います。
8月24日(水)深夜の「RADIPEDIA」生放送では「生めくり」と題してUstreamを大胆に活用。パーソナリティの星野源さんやその周辺の人たちが、この「妄撮」をまたパソコンを使って次元の違う楽しみ方で堪能してました。というのはPC画面上でマウスをドラッグしながら、吉木さんの着ている服をペリペリとめくっていく。やいのやいの言いながら、ときに繊細に、どきに豪快に。男子みんな楽しそうだ。今、世の中で吉木さんをいちばんストレートに助平な目で見ているのは「RADIPEDIA」の人たちだという気がします。うらやましいことです。
番組オフィシャルブログで、写真も含めて当日の宴ぶりが再現されている。ありがたいことです。当の「妄撮」プロデューサーさんのサイトでも、この企画について思い入れたっぷりに言及されている(「星野源プロデュース、J-WAVE×吉木りさ妄撮UST中継大成功」の巻)。
「妄撮」の視点は発見だし、技術的な発明でもある。吉木さんは通常フォーマットのグラビア活動と平行してこういう真剣なお遊び企画に、いま率先して呼んでもらえてる状態。なにごとにも楽しみを見つけてすんなりキャッキャと臨める実直さ、無邪気さと、それとはうらはらのクレバーさ、なにより度量の大きさが、こういうところで生きてくる。