テレビの現場に「長ッ尻」したがるタレントたち


あぁ、このタレントさんたちはテレビの現場が基本的には好きなのね、という話を最近いくつか拾いました。収録時間が長引こうが収録用テープが無くなろうがまったく関係ない、と。いつまでも現場に居座りたがる。

いわゆる「長ッ尻」になってしまうほどに現場が好きなようなんです。


今回の更新ではそんなエピソードを集めました。


1.中居正広の場合


4 月 26 日放送の日テレ系「中井正広のブラックバラエティ」にて。

土田晃之を指南役に招いての家電特集の後編。

ところがスタジオに用意していた数々の家電のうち、まだテレビの紹介しか終えていない段階で、収録用の 120 分テープが、あと 15 分しか残っていないという。くっ、テープが足りない!(キャプ翼風)

ゆかりん杉本るみ)「まもなくテープがなくなりましゅ」
中居「早っ! あ、ちょっと見るだけ見させて?」


ナレ(垂木勉)「このあと、はたしてテープは足りるのか?」


(CM)


ナレ(杉本)「収録テープは残り 15 分。はたして“中井さん”はテレビ以外の家電を学習することができるのか?」


※しかしハイテク空気清浄機の説明を受けるもタイムリミットが来てしまう


土田「あとね、せっかく今日お米もぜんぶ炊いてあったのにね」
中居「あー、残念」


ナレ(杉本)「そうなのです! 実はこれらの炊飯器には、味の違いを比べてもらおうと、お米を炊いてあったのです」


中居「やっぱり引っ張りすぎた? テレビ」
土田「いやでもテレビの疑問がやっぱりいちばん大きいと思います」
中居「ちょっとこれ(炊飯器)開けて良いの? 『テープがない』? あ、いやテープなくていいよテープなくて」
鈴木紗理奈「え、何?『テープなくていい』って」
中居「ぜんぜんいいよ俺、別に。無理? 時間がない?」


ゆかりん「もうテープの収録時間がありません。撤収にケテーイ」

テープの収録時間があろうがなかろうが、別に撮影されなくても構わない。

「ぜんぜんいいよ俺、別に」と中居は言う。もうカメラとか収録とか関係ないらしい。

結局その願いは受け容れられなかったものの、これは典型的な「長ッ尻」。

ただこの中居の言い分には、「最新ハイテク炊飯器で炊かれた目の前のお米が食いたい!」という食いしん坊な理由があったのかも知れない。少々お米に貪欲なところが中居にはある。

2.石橋貴明の場合


4 月 23 日放送のフジ系「みなさんのおかげでした」にて。

この日「食わず嫌い王」ゲストのくりぃむしちゅー上田が、「番組編集に口出しする」とウソの主張をしたところ、とんねるずや有田から「偉そうに」みたいなニュアンスで非難を受ける、というコント的な流れになるくだり。

木梨「『そういう編集にしろ!』って、こう自分の仲間に言うわけでしょ?」
上田「言うわけないでしょ! 言いませんよ!」
石橋「けっこうもう、たぶん番組の関係者に『こういう流れにしたいんだけど…』とか、そこまでやってるんでしょたぶん」
上田「いや、しませんよ!」
石橋「だからさっきも『編集見にいくからな!』って言ったじゃん」
有田「あれ(ああいう発言)出ないですよなかなか」
木梨「で、自分の言ったコメントには『笑い』を足すんだ」
上田「(笑」
石橋「あ、そうなんだ〜」
上田「しません!」
有田「よく言うもんな『編集立ち会う』って」
上田「編集に行ったことありません一度も! 無いですよ」
石橋「うそぉ?」
上田「いや、ていうかタレントでほら、編集とかに口出しする人が、いるのか知らないですよ?」
石橋「うん」
上田「でも、それはほら、『越権行為』といいますかね」
石橋「なんで?」
上田「持ち場が違うというか…」
石橋「俺、口出すよけっこう」
上田「ぷっ(苦笑」
木梨「全否定! 全否定よ今の」
有田「『タカさんは越権だ』と」
上田「あのね、タカさんまでいけば別よ」
石橋「俺、よく IMAGICA 行くよ」
上田「あ、タカさんは行っていいと思いますよ! 僕は! イヒヒヒヒ(爆」
石橋「もう、いい、もう」

上田は「ワザと偉そうにする」というていで「編集に立ち会うからな!(それくらいの権力はあるぞ)」とウソを言っている。

しかしそのあたりさんざん話を冗談っぽく膨らませといて、いざ上田が「タレントが編集に口出しするのは越権行為」と正論のようなことを言ったところ、石橋は本当にガチで編集に立ち会ってるという。

編集の仕事場なので「テレビの収録現場」とはちょっと違うものの、ふつうのタレントなら「越権行為」になりそうなところでも、石橋は首をつっこむという話である。

3.タモリの場合


4 月 23 日放送のニッポン放送ナインティナインのオールナイトニッポン」にて。

かつて TBS 系- MBS 制作で放送されていた「ジャングル TV 」でのタモリの話。

この日ゲストで「ジャングル」にレギュラー出演していた関根勤が、ナイナイともども証言する。

関根「なんかもう、変な番組だったよね」
岡村矢部「(笑」
関根「だって 1 時間(の番組)なのにさ、5 時間まわしてるんだよ?」
矢部「かなり回してましたよ」
関根「5 時間!」
岡村「そうですよね、ほんま」
関根「だってあの、『ジャングルハンマー』ってさ、10 分か 15 分あるかないかのコーナーをさ、1 時間から 2 時間やってたからね」
岡村「やってましたね」
矢部「そうなんですよ」
関根「狂ったように(笑」
岡村「すごかったもん」
矢部「いやほんとに長かったですね」
関根「あのころ俺もね、元気だったのよ」
岡村「だってもうテッペン( 24 時)超えて、お客さんとかいてなくなって。だって 2 本録りやったから」
関根「あのころはまだ若かったから」
矢部「はい」
関根「まぁ身体がついていったね気持ちに」
岡村「そうですよねー。すごかったもん。お客さんいてなくなって、スタッフが(客席に)座ってね」
関根「そうそうそう、スタッフが座ったんだもん」
矢部「あー、そうでしたそうでした」
岡村「ほんで、『もうそろそろ…』とかタモさんに言うたら、『俺は別にテレビの前に向かってやってるんじゃない!』って言って。『ここが愉しいからやってるんだ!』って」
関根「あのね、料理(「ジャングルクッキング」)があったでしょう」
岡村「そうですね」
関根「でね、1 本目で飲むから、2 本目ちょっと酔ってるから」
岡村矢部「(笑」
関根「あの、もう、どうでもよくなるんだよね」
矢部「そうなんですね」
岡村「おもしろいなー」
関根「その、なんていうのかな、『収録の時間とか関係ないだろ!』とか言い出すんだよね」
矢部「(笑」
関根「『愉しけりゃいいじゃねぇかよ!』とか言って」
岡村「『ここが愉しいんだからいいんじゃないか!』って言ってやってましたもんね」
関根「だから 2 本目はタモリさんおもしろかったですね」
岡村矢部「おもしろかったですね」

夜中になってスタジオの客がいなくなってもオンエア使われなくても続く「ジャングル TV 」の収録。それはもはや収録ではなかった。「テレビの前に向かってやってるんじゃない」「収録の時間とか関係ない」「愉しければそれでいい」…。

タモリは現場を愉しみすぎていた。


以上、中居、石橋、タモリの三例でした。

類例とまとめ


他にもたとえばテレ朝系「検索ちゃん」で爆笑問題の太田が喋りすぎて 2 時間特番の収録に 9 時間かかったとか、日テレ系のスペシャル「さんま・所のおしゃべりの殿堂」もやはり喋りっぱなしで収録に 10 時間かかるとか。最後のほうスタジオの客がいなくなるって場面が映し出されたりもしてました。

あと最近印象的だったのは 3 月 14 日放送のフジ系「めちゃイケ」の「近くへ行きたい」コーナーに小栗旬が出演したときで、「ナイナイと酒飲みたい」と主張する小栗が、カメラまわってるのとかぜんぜん関係ないみたいな態度で、早朝まで延々と飲み続けていた。お酒が絡んで名実ともに「長ッ尻」全開。

収録時間を超えても別に「残業代」なんて出るわけでもないはずで、いわゆる『取れ高』さえきっかり収録できれば、それでお役御免なのでしょう。

にも関わらず「そんなのいいから続けよう」というのは、その世界でトップになるべくしてなった人たちに共通する行動様態という気がしています。ワーカホリック、というほどではないにしろ、仕事だろうがなんだろうが、イケそうなときにはとことんまでいく、と。収録とかカメラとか、細けぇこたぁいいんだよ、と。

就職情報誌の謳い文句じゃないですが「好きを仕事にする」を地でいってるようです。


ただ、それもこれも自身の番組内でのポジションや、番組スタッフとの関係性、共演者とのうわべだけじゃない仲の良さみたいなものによって変わってくるでしょうけれどね。

あんまり仕事熱心じゃないテレビ関係者や共演者の本音を推しはかってみると、んもう仕方ないなと表面的には容認しつつも、「早く帰れよ」「ていうか早く帰らせろよ」とフラストレーション溜まりそうな長ッ尻ぶりではあることは想像にかたくありません。