モーニング娘。誕生 10 年記念隊ツアー最終公演


9 月 1 日午後 5 時。

Zepp Sapporo 付近は既に 1000 人近くの長蛇の列で溢れかえっていた。

札幌公演としてはとてもめずらしいツアー最終日の最終公演、また安倍飯田のいわゆる地元凱旋&飯田にいたっては産休前の最後のお仕事ということで全国からはるばる訪れている方々も少なからぬ様子でにわかに熱気を帯びており、またモーニング娘。 10 年記念隊というユニットやそのメンバーの性質上、ファンの側も年季の入った感満載で、なかなか壮絶な夏の葬列であった。

整理番号順に並んでしかるべき状況にも関わらず、しかし地元イベンターの仕切りが相変わらず最悪に近く、ほとんど大まかに整理番号何番でも先に入れちゃうような状況に陥っているのがもう致命的だなと思った。でもいいかげんこちらも大の大人なので細かいことは申しません。なんとなくで並んでなんとなく入場する。こういうふうに妥協しちゃうからイベンターも進歩しないんだろうけど。

ホールの中へ入ると、特に前のほう前のほうへがっつくこともなく、真ん中くらいのポジションでしゃがみ込んで iPod 聞きながら開始を待った。最終的にはホールの後ろのほうまでぎっしり埋まっていたようで、まぁ盛況だ。2 日前に行った同じく Zepp Sapporo での Berryz 工房のコンサートツアーの二倍は動員している。まぁ Berryz は平日の開催だったから仕方ない面も大いにあります。


で、最終日の最終公演。

ぼくは事前にセットリストをほとんどスルーして、あえて真っ白な状態で臨んだ。内容に関しての評判はさほど悪くないようだったので、なんとなくうすーく期待してきた。汗をかくほど盛り上がれるかどうかはわからなかったので、タオルとかは持ってこなかった。

やがて開演。幕があける。

テンションがじわじわじわじわと盛り上がる。


安倍、後藤、飯田、新垣、久住の 5 名が華々しくズガーンと登場。と、あっ後藤がいる! 体調を崩して直近の何公演かをお休みしていたという後藤だが、なんとか最終日には間に合ったようだ。よかったよかった。


一曲目は「モーニングコーヒー」。わぁこの期に及んでやみくもに新鮮だ。いきなりボルテージが MAX まで上昇して、なーっち、オイ! なーっち、オイ!

そしてガキさんひたすら笑顔だよガキさん。久住は久住で間近で見てみると、とてつもなく異次元の美貌を誇る。ていうか脚きれいすぎ。

立て続けに二曲目は「 NIGHT OF TOKYO CITY 」。やばい泣きそう! ライブで初めて聴いたよ超ノリノリだ。タオルを持ってこなかったことをこの時点で後悔する。 


さっさと結論を書いてしまうと、超最高だった。いったいなんだったんだ。自分でもびっくりした。こんなにコンサートが終わるのを名残惜しいと思ったことはない。正直美勇伝のコンサートより盛り上がってしまった。

ガキさんモーヲタぶりというのもこのコンサートが嬉しくなる要素のひとつですよね。

( ・e・)< 私の中のモーニング娘。

が、実存としてそこにいる。同調できる。


いっかい深呼吸して落ち着いて冷静に思い返してみると、複雑な気持ちにさせられる「ハッピーサマーウェデイング」は、さすがにキツかったかな。

飯田のことはたしかに祝福したい気持ちがある反面、そんな「おなかに赤ちゃんが」とか言われてもおおむね対処に困る。いったいどうしろと。

しかし今回はそんな身重のからだであるがゆえに出ずっぱりというのではなく、ステージに姿をあらわす機会は全曲中の半分以下の比率だったので、観客側としてもあんまり精神的な負担になることはなかった。


あ、そうだ、飯田ソロのときに「白サイリウム祭り」みたいなのがあって、会場一面に白いサイリウムが広がっているのを見た飯田が号泣してまともに歌えなくなったりしていた。

飯田は号泣してアイメイクが剥げ落ちたあげくしゃっくりが止まらなくなるなどボロボロになっていた。涙の中にも笑いが起きたりしてさすがのザ・飯田ショー。

やがて長いトークのあと、さっき泣きすぎて歌えなかった持ち歌を「もう一度歌っていいですか?」と飯田がスタッフに直訴。ちょっとした間があいてから本当にもう一回歌ったりもした。やっぱりライブはナマモノだなぁ、っていい意味で思わされた。ただしもちろんよく知らない飯田ソロ曲二連チャンというのは、さすがにややダレました。

ちなみにぼくはこれまで一度もいわゆる「卒コン」みたいなきっちりしたハロプロ涙の名場面に居合わせたことがない。だもんで、今回の飯田の場合は産休だしそういう真っ当なイベント的なものとはだいぶ事情が異なるのだろうけど、最終公演だし地元だしで場は整いすぎるほど整っていて、で、白サイリウム祭りだ。

ここへきてようやくハロプロの歴史の一ページの中に初めて混ざれたのかも、とか、くだらない自意識をおぼえたりもした。まぁ、白サイリウムは別に持ちませんでしたけれど。


あとはなにより選曲の妙ね。10 年記念隊のコンセプトからわかっていたこととはいえ、もう徹底的に懐古厨。全速力で後ろ向き。オールドファン大喜び、なすさまじい内容だった。

安倍後藤の激レア「乙女の心理学」や飯田とガキさんの新旧タンポポな「ラストキッス」、エバーグリーンな「真夏の光線」、あるいは「愛車ローンで」「未来の扉」「パパに似ている彼」など懐かしのアルバム曲群。「パパ彼」なんて安倍後藤に挟まれてガキさんが夢心地だったよ。そんなガキさんソロの「 Never Forget 」もしみた。

圧巻だったのは本編ラスト前の「抱いて HOLD ON ME !」「 Happy Night 」「 LOVE マシーン」の三連コンボ! とにかく凄まじかったなぁ。跳びはねまくっだし悔いはないや。



最後にもうひとガキさん

このユニットにはガキさんと久住が現役モーニング娘。からふたり参加している。最近モーニング娘。自体がなんかぐらぐら異様に揺れ動き惑い縮小化されまくっているような気がするんだけど、やっぱガキさんも久住もアイドルさんとしては手抜かりのない実力者ですよ。

久住の彫刻みたいな造形には首筋から足首までいちいち惚れ惚れするし、ダンスの切れ味も目に見えて増してきた。あと MC での微塵も屈託のないワ〜イワ〜イみたいな針の振り切ったテンションは、大好きだな。

そしてなんといってもガキさん! 百面相で、妙に色気のある流し目やら、口角がニューってあがる満面の笑みやら、デフォのひよこみたいな顔( ・e・) やらがとにかく目を惹きつけてやまない。キメキメのダンスやらポージングやらのそろそろ熟練ともいえる身体表現にも心奪われる。

あんまりテンションあがりすぎて、この声よ届けと「ガキさぁぁぁぁぁぁーん!!!」って喉も張り裂けんばかりに何度も何度も絶叫した。せずにはいられなかったのだ。





おしまい