メロン記念日に鈴木 Daichi 秀行

ところで、9 月に発売されるというメロン記念日のいわくつきのニューシングル「お願い魅惑のターゲット」のジャケ写が、この期に及んでハロプロ史上に残る名作となりそうです。なんだこれ超イカス。今のメロンにしか出来ない技といっても宜しいでしょう。ジャケ買い決定です。


本題はそんなメロン記念日と鈴木 Daichi 秀行さんとの関わりであった。

一年に一度の頻度で定期的に任されちゃってます。「さぁ! 恋人になろう」(2002)、「チャンス of LOVE」(2003)、「涙の太陽」(2004)がすべてシングル曲でかなりの信頼度。そして「涙の太陽」に至ってはカップリングの「さあ、早速盛り上げて いこか〜!!」も鈴木 Daichi 秀行さんが手がけており、このシングル盤だけで Daichi 果汁 100% の絞り立てな一枚です。

さぁ!恋人になろう」はぼくが当時札幌市内にあるサッポロファクトリーという複合商業施設のアトリウムで開催されたシングル発売イベントで、うまれて初めてメロン記念日に遭遇&握手をした思い出の一曲です。会場に集まったお客のみなさんが根こそぎノリ切れてなかったのがとても印象深いです。あと間近で拝謁した柴ちゃんにピカーッと後光が射していたことも忘れられない。

曲のことをいうと、これも美勇伝のいくつかの楽曲と同様に、お客さんとメロン記念日とで一体化してライブを通して練り上げていったキラーチューンと言えそうですね。アフリカン、サバンナ、オランウータン、ジェロニモ、アパッチの雄叫び、まさかり、なた、狩猟民族、人食い、といったでたらめかつ当たらずとも遠からじなイメージがこの楽曲からは喚起されます。無論このような「さぁ!恋人になろう」のイメージキャラクターは百獣の王・斉藤瞳さんを置いて他にいない。


あ、そうだ「チャンス of LOVE」発売のときもやっぱり札幌市内のペニーレーン 24 というライブハウスでイベントと握手会がありました。二度目の柴田さんにやはり後光が射しており決してその存在が幻影ではないことを悟ったのです。それどころか神の領域に一歩近づいた感が。

しかしいかんせん「チャンス of LOVE」はその前作シングル「赤いフリージア」の名作ぶりを連チャンで引き継ぐにはやや荷が重く、のっぺりたらたらしたアーバンナイトな妖艶ニュアンスぶりがいささか癪に障ったりもしました。このミディアムなテンポでこのメロウな方向性なんだからもっとどっしり構えればいいのに、リズムの刻み方とかやたらとチチチチチチチチもしくはシャンシャンシャンシャンと小うるさくてせわしなくて落ち着いて身を任せられません。

自分で歌うぶんには気持ちがいいんですよね。チェッカーズの「星屑のステージ」にも似て非なる大仰なメロを両手広げながら熱唱できる。柴ちゃんの粘っこい歌い方もクセになるし真似るしかないです。


「さあ、早速盛り上げて いこか〜!!」はベタ誉めしたい。

重心の低いどっしりとしたリズム隊の存在感を下敷きにしながら、これでもかという疾走感を最後のシャウトまで保っている。打ち込みじゃないのもでかい。この踊り出すようなドラムはそうる透という方の生演奏で、少なくともド素人にも著名な方だということだけはすぐにわかる。テレビでも「堂本兄弟」でレギュラー出演したりしてますよね。「チャンス of LOVE 」みたいに打ち込みで余計な細かい動きされるとちょっとげんなりするけど、プロの超絶ドラムテクニックみたいなもののほんのわずか一端でも聴いてとれると感服さえする。

そりゃ完全にライブでの盛り上がりを狙ったヲタ向け楽曲という感じだし、曲名からしてひねりもなにもありゃしないのだけれど、ハロプロ Daichi 流ロックとしてはトータルで最高峰の出来映えではなかろうか。