フジテレビまつり

「 IQ サプリ」でほとんどの問題に対して正答が導き出せない己のモヤッと具合にいつものことだと納得をしながら、その流れで「めちゃイケ」へ。あのラップをやってる女の子は声のハリといい顔面力といい台詞まわしの巧妙さといいアドリブ適用力のうまさといいたしかに有能なので今のところ寵用するしかない。岡村とのセッションがなんの違和感もなく成立しているのが岡村含めてすごい。

ただ全体を通した 400 回コントが、現実とつくりごととの間でせめぎ合っていて、感情として落ち着いて見ていらんなかった。というか最近のめちゃイケには、ここ 2,3 ヶ月くらい金属疲労的な無理を感じる。別にメンバーがひどい目に遭おうが他のレギュラーに虐げられようが、それが笑いにつながっていればいっこうに構わないのに、そのコント的な不条理が不条理として成立してないよ、というか。部分部分はおもしろいのに全体の感情の流れとして不自然で不完全な部分が目立つ。

ドミノの部分とかゴルフの部分とか、ガチはガチでフェイクはフェイクで貫き通せばいいのに中途半端なのでさっぱりどう見ていいものやら判然とせず、「メンバー全員でがんばろうとしているのに加藤ひとりが失敗してあ〜あがっかりだ」みたいな流れが、いくら加藤放置オチに至るまでのネタフリとはいえ、人間の感情として、明らかにまちがってるでしょう。素人考えで申し訳ないけど、たとえば「連日のレギュラー仕事で『いや〜、オレ身体が疲れちゃってる売れっ子だし』とか愚痴や言い訳をしてしまう」とか加藤になにか忙しいからこそのめちゃイケに対する落ち度みたいなものがあれば、そこをとっかかりにしてスムーズに流れていけるのに。

こないだ有野のときも「ゲームセンター CX 」が売れてるってことで、たとえば有野がすごい調子に乗ってるような天狗発言を雑誌等で事前にしていれば、そこをつけ込んでプロレス技をかけて反省しなさいゲラゲラゲラゲラみたいな展開もわかるのに、有野本人はぜんぜん謙遜してるのにも関わらず番組側で勝手に持ち上げといて勝手に落として終わり、というのが構成として素朴にヘンだった。

矢部がひとみちゃんと別れたとかいう放送回でも、岡村が勝手に「プロポーズ=結婚」と早合点して勝手にメンバーに報告してあとで矢部ともども「実は違うねん」ってお別れの報告をしにいく、って流れがあって、その「勝手に」という部分の飛躍ぶりがおもしろければまだしも、それって単なる自作自演じゃないか上げて落とすみたいな方法を用いてメンバーのリアクションを過剰なものにしたいがためのミエミエの戦術じゃないかと不可解なことのほうが先に立っていて、狂言回しをしているナイナイのふたりが結果的に調子狂ってるようにも見える。

今回は、加藤が消えた相方山本の代用としてバケツとケンカする、みたいな悶々としたラストが正しい荒れ方でそこだけはよかったと思うのだけれど、どうもモヤッとする。あと長年レギュラーもほとんど変えずにやってきた番組の宿命とはいえ、こんどは光浦の入院とか御難続きなのがとても気になる。