レッツ!バスロマン

銭湯の娘!?」だが第3話はきれいにすっとばして第4話は視聴。これからもこのままたぶん見たり見なかったりすると思うし、そんな非習慣性もおそらくドラマ視聴の上でのストレスにはならないだろう。「ストーリー展開に連続性があるようで実は無い」というのが昼ドラのひとつの特色だろうから。決して一話完結のオムニバスドラマじゃないのはたしかだけど、だからといって上出来な推理ドラマみたいに「一話でも一分一秒でも見逃したら謎解きがわけわかんなくなる」ってほど綿密なストーリーテリングがなされてるとは到底考えられないのです。簡潔に言ってしまえば「連ドラの皮を被った単発ドラマ」というか。

昼飯でも喰らいながら適当に流し見している茶の間や職場の視聴者の耳目を、とにかくインパクトの強い場面(矢口の悲鳴、伊武雅刀の怒声、あやしげな BGM 、まいまいのハキハキとした端正なセリフまわしなど)を一話のうちに2,3個ポコッとはめ込んでみては、さも「何かありげ」に誘っているのがザ・昼ドラだとぼくは思っている。ごめん「牡丹と薔薇」を最後にほとんど昼ドラまともに見たことないからすごい偏見かも知れないんだけども。でも内容の細々したことは二の次のインパクト重視というイメージはなんでか強固である。特にこのドラマはコメディタッチだからってんで余計やりたいようにやってる気がする。

たぶんしばらく「銭湯の娘!?」は矢口と伊武雅刀の間の愛憎半ばでぎくしゃくした父子関係を軸に据えて展開していくはずだ。ひょっとしたら最後まで。どうせちょっと和解しそうになったり、でもすぐに嫌いになったり、突き放したりまたお互いに甘えたり、と、それこそ KAN の主題歌「カレーライス」のサビ的に「♪作りすぎたカレーを翌朝食べるよに 一度冷めて また温めて それでいい」みたいなことの繰り返しが延々と続くのである。ラスト2話くらいまで救いがたいほどの湿っぽい展開が続いて、でも最終的には一転ハッピーエンドでチャンチャン♪ 楽の湯は今日も大騒ぎだァ〜!! という筋書きが見える。

とにかくぼくはこれからもいい加減な視聴者でいこうと思う。第4回の放送でいえば、チャラ男連中相手に暴力沙汰を起こした矢口の腹に「バカ野郎!」と一撃を食らわせたあとの伊武雅刀が、イテテテとうずくまる矢口を片手で軽くひょひょいと吊し上げた瞬間が最大のニヤニヤポイントであった。あとまいまいのかわいさはマジ一服の清涼剤。ほっぺたつまみたい。