「色っぽい じれったい」をフラゲ

モーニング娘。のニューシングル「色っぽい じれったい」は当初あまり買うつもりもなかったのだが、CD 屋の店頭で実物を見たところ初回盤のジャケットワークが異様に喜ばしい出来になっていたため速攻で衝動買いで購入した。いわゆる「ジャケ買い」というやつだ。

かわいい女の子たち集団、という実においしい素材がありながら、「 LOVE マシーン」の大成功以来、ただメンツを適当に並べときゃいいだろ的なのっぺりとした構図のジャケがハロプロ関係ではめっきり多くなっていて、勢いのあるうちはまだいいもののそうでない時期にさしかかるとやはり何らかの創意工夫をせにゃ、と求めるものも高くなってくるものである。最近では W (ダブルユー)がジャケワークではヒット連発しているのだけど、ここへきてモーニングでも光明が射し始めた。

「色っぽい じれったい」のジャケは屋外ロケによるもので、まるで土曜日の夕方、暮れゆく陽光に照らされながらゆっくりした時間をぼんやり過ごしているような気怠い気分が醸し出されている。そして衣装的にも白を基調にナチュラルで年相応な様子。まったくどこに出しても恥ずかしくない出来である。特に個人的な趣味でいえば「新垣・高橋・道重」の三人の並びが秀逸すぎる。この三人ユニットは美勇伝を凌駕した。ただ、「色っぽい じれったい」の情熱フラメンコな曲調とこの素敵ジャケットとでは、イメージ的には一ミリも合致していないのだけれどね。それはいつものこととはいえ。

あと、モーニングさんたちの衣装は手前から見ると実に爽やかに目に映るのだけれど、いったん背後から見てしまうと、それぞれの背中にはそれぞれの名前をもじったアルファベットのバックプリント(例・藤本美貴なら『 MOTO 』、吉澤ひとみなら『 HIT! 』等)が施されており、これはさすがにどこに出しても恥ずかしい仕上がりになっている。前から見ると最高なのに後ろから見ると罰ゲーム。きみらは小林よしのりおぼっちゃまくん」の「びんぼっちゃま」か、と。

さて、肝心の曲調についておざなりに触れてみると、前作「大阪 恋の歌」と地続きとも思えるマイナー歌謡で、恥ずかしながら、こういうの大好きだ。Berryz 工房が「恋の呪縛」「スッペシャル ジェネレ〜ション」「なんちゅう恋をやってるぅ YOU KNOW?」と非常に高品質なウキウキ三部作をリリースしてきたのと並行した流れである、という解釈もできる。Berryz の楽曲はハロプロの中でも最高水準を保っていてこれ以上なんの文句もないのだが、正直モーニングさんたちのほうは、もうこれはベタな感性で申し訳ないがボーカルとしての高橋愛田中れいな新垣里沙藤本美貴という 4 人の歌声にぼくは聞き惚れているわけだ。 Berryz との最大の違いはそこにある。