愛される理由

トリビアの温泉」がお笑い幸せ空間と化してしまった理由のひとつとして、「だってあの空間には『サムい』という概念を持ち出す人がひとりもいないんだもの!」という驚愕の事実に気がついた。各地方局から派遣された半素人の社員はともかくとして、少なくともタレントの中には誰ひとりとしてノンノノン。特に関根、今田、くりぃむなどのバラエティ巧者が、あらゆる状況をおもしろに変換しようと志している。お笑い三流人間がしたり顔で「サム〜い」とか言い出すようなダメ状況は、断固として拒絶されるのだ。

また今回の25時間テレビは「あっつぃ」というコンセプトを番組の中枢に据えており、自動的に「トリビアの温泉」も「あっつぃ」が基本となる。燃える炎、イメージカラーは赤、サンバカーニバル、A-CHI-CHI、そして声のみの出演で活躍する藤岡弘、・・・。それはふだんの「トリビアの泉」の青の冷静さとは無縁のコンセプトで、やや唐突ではあるものの、今回ばかりは何をどう処理しても結果的に「あっつぃ」の一言ですべて収拾がつくような仕組みが成立している。

そして、すべての安直な「サム〜い」が、「あっつぃ」というまったく正反対の概念へとひっくり返るのだ。それって素敵やん。