映画「ボーイズ・オン・ザ・ラン」を観てボロ雑巾のようになる

1月30日に首都圏を中心に上映が開始され、今後徐々に上映地域が拡大されていくという映画「ボーイズ・オン・ザ・ラン」を観に行ってきました。

ちゃんと面白い。笑える。とぼけた空気が包み込んでいる。ちょっとエロい。しずる感が半端ない。それでいてちゃんと泣ける。あるいは怒れる。ストーリーに呼び覚まされるように暴力的な衝動に駆られる。総じて、ムダに思えるシーンがぜんぜん無い。

描かれているのシンプルで小さな世界。「CGを駆使した大スケール!」とか「豪華キャストが勢揃い!」とかではありません。登場人物もそう多くない。だからこそポンコツのぼくにもストーリー展開は至極わかりやすかったです。

しかしわかりやすい中にも、不条理、抗いきれない誘惑、取り返しのつかない失敗、ドロドロな人間模様など、心の底から惹きつけられるストーリー展開があって、映画見ながら何度か劣情を催したり、「うぅぅぅぅぅ……」と苦しくうめいたのもまた事実です。

6日放送分のTBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」の「ザ・シネマハスラー」のコーナーでもこの映画の論評がなされていたのですが、宇多丸は原作の漫画と「180度違う」という相違点に目がいってしまった様子。

論評をぶ厚いものにするために原作を読んでおくのは必須です。でも宇多丸の論評を聞くかぎり、「映画そのものを楽しむ」のが目的なら、原作は読まないほうがいいと思います。ぼくがそうでした。映画をご覧になる予定の方は頭からっぽ推奨です。

以下に完全にネタバレします。

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