アルコ&ピースのオールナイトニッポンを移動中に聞いて笑いを噛み殺してる話

35歳にもなると夢中になれるものってハロプロ以外にはなかなかないのですが、最近はあります。ニッポン放送の「アルコ&ピースオールナイトニッポン」です。
http://www.allnightnippon.com/program/ap/
超面白い。慎重というか若干用心深い性格なので何度か聞いて本当に面白いのか確定させないといけなかったのですが、毎週聞いていて毎週面白いので、本当に面白いです。


アルピーが数回の単発番組を経てレギュラーで「アルコ&ピースオールナイトニッポン0(ZERO)」を始めたのは去年2013年4月。いわゆる木曜2部の枠でした。それから1年後の今年2014年4月に現在の金曜1部へ昇格。単純に実力が買われたのだと思います。
僕が最初にアルピーをはっきりと認識したのはドモホルンリンクルのコントでした。バックボーンを知らず年齢不詳で、特にグラサンかけて貫禄のある酒井ちゃんをてっきり年上だと思ってました。実際は当時まだ20代だった。あと「THE MANZAI 2012」の忍者になって巻物を取りに行くネタは代表作ですよね。
オールナイトニッポンでは、そういった漫才やコントの延長線上のような、素のような作ってるような掛け合いを楽しめます。素で普通にフリートークをしていたはずが、いつの間にか芝居仕立てのやりとりに移行してしまう「茶番」が恒例。手間ひまかけてじっくり番組が作られている印象です。もちろんフリートークも十分すぎるほど面白いです。
平子さんは2児の父親で僕と同じ35歳。公務員の息子。愛妻家であり、トークに父性を感じさせる。同学年なので平子さんの昔のテレビやゲーム、ミニ四駆などにまつわる懐かしさのツボが完全に同じなので楽しい。酒井ちゃんは平子さんより5歳下の30歳。弟分的な感じも醸し出しつつ、そこにとどまらない絶妙なチャラさ、鉄砲玉感がある。おおよその実権は平子さんが握ってるようで、でもラジオではどちらも進行を担当するし、どちらもネタを読む。オールマイティで、いいバランスのコンビです。
2人ともお芝居が明らかにうまく、さらに声がとてもいい、という基礎能力の高さにも惹きつけられます。「茶番」も必然的に映えようというものです。平子さんは福島県出身で多少のなまりを感じさせつつ、そのガチムチな肉体から発せられる野太い声がよく通る。酒井ちゃんの声は甲高くて、ときに平子さんをも凌ぐ暴力性や爆発力がある。番組後半「元気いっぱい酒井ちゃん」のコーナーもキワキワだ。
リスナーのハガキ職人が超優秀でコーナーがどれも面白い。「アルコ&ピースの一週間」「家族」、あと終わったけど「ごちそうさん」のコーナーも本当に楽しかった。またこれは最近のラジオ生放送の傾向なのでしょうが、ハガキだけではなくメールで手軽にリアルタイムで投稿できるようになり、番組の流れがメールで転がされる。リアルタイムで反映されるリスナーからの秀逸なリアクションと、それを的確にすくい上げるアルピー、スタッフさん、三位一体となった番組の地力の強さを感じます。
1990年代に中高生時代を過ごし、深夜ラジオを自分の部屋で布団にもぐって聞いてました。おもわず笑いそうになったとき、実家ですからなるべく声を立てないよう、枕に顔を押し当てて笑いを噛み殺していたわけです。今も続くナインティナインもそうだし、電気グルーヴウッチャンナンチャン、あと地元のSTVラジオ明石英一郎うまいっしょクラブアタックヤングなど思い出の番組はたくさんあります。
今は電車とかで移動してるときに、iPodでこのラジオをよく聞いている。声のコントラストが電気グルーヴを思い起こさせる部分もあるんですよね。平子さんが瀧で酒井ちゃんが卓球みたいな。電車で耳にイヤホン挿したまま、10代の頃と同じように1人で吹き出して笑っちゃう。公共の場ですので、なるべく噛み殺そうとするのですが、不意に襲いかかる笑いはこらえられない。そんな状態に陥るほど面白いオールナイトニッポンが現在進行形で楽しめているのは、とても嬉しいことです。