「くりぃむナントカ」大木ちゃんvs前田アナの死闘

テレ朝系でちょっと前まで放送されてた「くりぃむナントカ」の DVD が 9 月 30 日に 3 巻同時リリースされます。

発売されること自体はずいぶん前から告知されていましたが、発売日が近づくにつれ、「くりぃむナントカ」の後継番組ともいうべき同じテレ朝系「シルシルミシル」のエンディングでその収録内容が徐々に明らかになってきました。

細かいことは申しません。

最大の見どころは大木優紀アナvs前田有紀アナ『アシスタント王決定戦』!

ここに尽きます。テレ朝同期入社の戦友にしてプライベートでも親友というふたりが、こと「くりぃむナントカ」に限っては敵意を剥き出しにしながら数々の抗争を繰り広げていたのです…!

当時、番組はくりぃむしちゅーに次ぐ第三のレギュラーとして大木アナが馴染みまくっていました。ところがたまに大木アナが仕事のシフト上どうしても番組を休まなきゃいけなくなるときがあり、そんなとき代役として出演するのが同期の前田アナ。

で、くりぃむ有田あたりが「大木よりも前田ちゃんのほうが可愛いし良いナー」なんて無責任に言ったりして、徐々に「大木vs前田」の構図が浮かび上がる、というていで引っ張り続けられてきたわけですね。


2007 年に発行された「QuickJapan」vol.73 が「くりぃむナントカ」大特集で、大木アナと前田アナ、それぞれの単独インタビューなんてのも上下段に並行するようにして掲載されてました。

ふたりとも「アシスタント王決定戦」を繰り広げていたときの、特に有明の会場でプロレスさながら 1000 人のお客さんを収容して大々的におこなわれた「最終決戦」の様子を克明に語っています。


・大木アナ視点

あの日のスタッフの作り込み方はすごかったんですよ。

まず本番の前、「前田とは一切しゃべるな!」と。戦う気持ちを限界まで高めろと命令されました。お互いの控え室への行き来も厳禁。

(中略)

私も緊張と興奮が爆発して、経験したことのない精神状態になって…平常心ではいられませんでした。

その時の前田は、変な言い方ですけど、「対決する相手」であり、「その場で唯一の、私の味方」だと思ってました。こんなところに立っちゃってどうしよう!? と追いつめられた気持ちを共有しているのは、私と前田だけなんです。

前田も何となく、そういう風に目で語りかけてきてたし、対決が終わって前田と握手した時、耳元で「お疲れ」とささやき合ったんです。グッときました。あのときは思わず泣きそうになりました。


・前田アナ視点

大木もガチガチだったらしいですけど、私の緊張もただごとじゃなかったですよ。

(中略)

対決の中身は、本当にガチンコなんですよ。

大木も私も、お互いに何を言うかは事前に決まってなくて、全部その場のアドリブ。大木に何を言われるかわからないから、怖かったですね。

対決が終わって、お互いに耳元で「お疲れ」とささやき合った時は…緊張が一気にほどけて、感動で涙が出ました(笑)。

(中略)

「大木からアシスタントの座を奪いたい!」と言ってますが、本心は違います。「くりぃむナントカ」は大木がいてこそだし、私が入る時はあくまで代役であって、大木の役目を埋める努力をするのみです。

(中略)

だってこの番組は大木のものですから。

ふたりの間にいっさいの齟齬は見られませんでした。

スタッフや出演者ぐるみでそりゃもうピリピリの緊張感を作りあげたうえでの「最終決戦」らしかったのですが、お互いに無言での意思疎通はあったんですね。しっかりわかりあってる。いい話や。

個人的にも放送当時は前田アナには特に思い入れがなかったのですが、最近ではすっかり前田アナいやさ前田ちゃんにもがぜん興味が及ぶところになってしまいました。「アメトーーク」のさんまの回で炸裂させた、あのお嬢様気質ったら!

贅沢なことに大木アナvs前田アナの終始ジャージ姿でわちゃわちゃしてる模様は 2 巻と 3 巻にわたって収録されてます。しかも二人によるオーディオコメンタリーつきだといいます。

正直「くりぃむナントカ」という番組自体はゴールデンタイムへの移行と前後して(もしかしたら深夜時代の後半から)勢いを失ってしまいました。しかし「作り込み」への姿勢は、他の追随を許さないものがあったんですよね。

「大木VS前田アシスタント決定戦パート1・2」(2006.12.4・2007.1.22放送)

「大木VS前田アシスタント決定戦パート3&ファイナル」(2007.2.26・3.26放送)