「タモリ倶楽部」タモリとみうらじゅんの密室トーク

ちょっと前に放送されたテレ朝系「タモリ倶楽部」は『絶頂派美術展』という企画。

出演者陣は進行役に堀部圭亮、コメンテーターに多摩美大の西岡文彦教授という専門家。そしてもうひとり、みうらじゅんを迎えて、タモリと四人で「絶頂派」の絵画を鑑賞しながら密室的なトークを展開してました。

タモリみうらじゅんが椅子を並べて終始ゲスなコメントを連発してるのがおもしろかったです。

以下、「絶頂派」な芸術作品について四人がシモい解釈をぶつけ合う模様です。

ヴィーナスの誕生」(1863年)アレクサンドル・カバネル



※海の上で全裸の金髪女性が横たわり、上空には複数の赤ん坊のような「天使」が舞っている。「絶頂」の証として女性の足指が反り返っている

武田広ナレーション
「時の皇帝が買ったというこちらの作品。実は絶頂が隠されているのです」

タモリ「(絵の中に)隠されたどっかなんかあるんですか?」
教授「ビーナスの『目』がおかしいですね」
みうら「あ、目がトロンとしてるってことですか」
教授「(『ヴィーナスの誕生』という名目だが)生まれた瞬間じゃないですよね、これね。上気した顔してるでしょう? ビーナスの目が上気した流し目ですからね。だから“口実"なんですよ。生まれたままの姿だ、っていう口実があるんで。昔は裸ってあんまり描いちゃいけなかったですからね」
みうら「なるほど」
教授「キリスト教っていろいろ道徳とかあってうるさいから、神話や聖書を口実にして描くんですよ」
タモリ「神話を題材にしてる」
教授「『生まれたばかりだからしょうがないですよ』『何も着てないですよ』っていう」
タモリ「生まれたばかりでこんな豊満な肉体はないですよね。これだったら赤ん坊たまんないですよね」
みうら「お父さん離さないですよ」
タモリ「たいへんなことになりますよ」
みうら「『オレが風呂に入れる!』なんて言ってね」
堀部「…このサングラスふたりバカですねー(笑」


教授「あと胸がおかしいんですよね」
堀部「胸がおかしい?」
教授「このとおりだったら右と左の胸の大きさぜんぜん違うはずなんです」
みうら「流れますもんねこっちは」
教授「そうなんですね。見た目にこういう同じバランスに見えるということは奧が大きくて、手前がぜんぜん小さい」
みうら「シリコン入れてる…? グラビアにはよくありますよ。すぐわかりますもん」
タモリ「この頃はシリコン無い」
堀部「誕生するやシリコンが入ってるんすか?」


みうら「外国の人は、やっぱり『イクー!』じゃないですもんね」
タモリ「『来る』」
みうら「イクは仏教徒ですよね。『彼岸に行く』のイクですからね」
タモリ「えぇえぇ」
みうら「あれはなぜ女子は、どこで覚えるんですか? 仏教を。外国の方は『カミング』って言うじゃないですか」
教授「東洋はそうですよ桃源郷とかね。どっか遠くに良いものが。西方浄土とか」
みうら「えぇ日本の場合ね」
教授「中国とかもね」
みうら「『死ぬー!』っていう人はなんでなんですかね?

「憂鬱と理想」(1907年)カルロス・シュヴァーヴェ



※荒れ狂う海の中で「憂鬱」と「理想」を擬人化したとおぼしき裸の人たちが絡み合っている。裸の人にはなぜか羽根が生えている

武田広ナレーション
「憂鬱と理想の相克を描いたとされる寓意画です」

みうら「これ、ふたりサーファーみたいなことではないんですか? 違うんですか? ビッグウェンズデー的なカップルじゃないんですもんね」
タモリ「男性の絶頂ですよね、これはね」
教授「ぼくはそう思うんですけどね」
タモリ「波がこれ(絶頂を)現してますね」
堀部「羽根まで入ってますからね」
タモリ「外国のポルノ映画の手法でありましたよね」
みうら「昔よくありましたよね。花瓶入れたりしてね」
堀部「憂鬱ってことは、女性のほうは『あ、もうちょっとなのに』みたいなことになってる?」
タモリ「男性のほうは理想のほうに向かってイこうとしてるのに、今ひとつ現実に引き戻すという」
みうら「それ(理想と憂鬱)は『ゴムをつけるつけない』みたいなことですか? つけないほうが良いっていう人多いじゃないですか男の人に」


みうら「“差し込み口”がちょっとズレてるような気がするんですけどね」
堀部「位置的に、その前の段階ってことじゃないですか? 『パクッ』てされちゃって『ザパーン』ってイッちゃって」
タモリ「じゃ、早漏ってこと?」
堀部「『このあとどうすんだよ』みたいなことに」
タモリ「大早漏
教授「それで憂鬱なのかも知れないですね」
みうら「男がドッパーンって出てるってこと? 『なにこれ』みたいな」
タモリ「これ絶対出てるのをあらわしてますよね」
堀部「『こんなたまっちゃってんの?』ってこれ」


タモリ「よく見ると羽根もおかしいですよね」
みうら「それちょっと『山ちゃん』の手羽先みたいになってる」
タモリ「そうそうそう。世界の」

タモリは「世界の山ちゃん」を認識している

「蛇に噛まれた女」(1847年)オーギュスト・クレサンジュ



※全裸の女性の全身像があしらわれた彫刻作品

武田広ナレーション
「絶頂美術史に燦然と輝く彼の彫刻作品は『蛇に噛まれた女』」

タモリ「これ完全(に絶頂)ですね。筋肉の緊張し具合はそうですね」
教授「これ型取りしたらしいですね、実際の人から」
タモリ「へぇー」
教授「アポロニーという当時絶賛を浴びていた高級娼婦がいるんですよ。当時の文化人みんなご愛顧たまわってた」
みうら「“兄弟”になっちゃって」
教授「型取りしたのでものすごく正確だったんですね」
タモリ「かなりボリュームがある人ですよねこのお尻は」
教授「(悶えるばかりに)頭がベットから落っこっちゃってるところが凄いですよね」


教授「あともう足、完全に突っ張っちゃってます」
堀部「実は先生が現地にいって自分で撮ってきた(別アングルの)写真が」
タモリ「あーこれ完全にそうですね」
堀部「これもかなり胸の張り方がおかしいですよね」
タモリ「シリコンだとこうなりますよね」
みうら「(胸の)下のほうにこう豊胸の手術の痕があるから。だいたいわかるんですけど。腋とかに」
タモリ「シリコンはこう垂れませんからね」
みうら「そんなに今、揉み心地もあんまり変わらないですよね」
タモリよくなってる?
みうら「うん、そんなに(ふつうと)変わらない」

「ローラ」(1878年)アンリ・ジェルヴェクス


※ベッドに仰向けになっている娼婦の女性をローラという男性が傍らから眺めている

武田広ナレーション
「あまりの卑猥さに展覧会の出品を断られた問題作が『ローラ』」

教授「主人公(ローラ)は一夜を過ごして窓から身を投げるんですよ」
タモリ「え、死ぬんですか?」
教授「死ぬんです。で、彼女が何も知らずに寝入っているという。そういう詩があるんですよね」
タモリ「絶頂のまんま寝ちゃったわけですか?」
教授「それか絶頂途上でしょうね」
タモリ「ま、寝るにしてはちょっとこれは不自然ですね」
みうら「足が下にかかってね」
タモリ「こう(ベッドの下に足を)やったら、必ず夜中、起きますからね
みうら「血が下がるから」
タモリ「血が下がるからね」
みうら「冷たーくなりますからね」


教授「あと足がちょっと開き加減になってますでしょ」
みうら「股間のところにシーツをくちゃくちゃっとしたのはローラですか?」
教授「ま、『シーツになりたい』っていう」
みうら「『私はシーツになりたい』ってありましたよね、映画」
タモリ「あれは『私は具になりたい』」


教授「このシーツの部分にローラ氏の頭があったんだ、とそういう描写だと思いますよ。でそのときの女性独特の喜びというかね」
みうら「クンニローラーみたいな感じ? クンニローラーだ」
タモリ「クンニローラーってなんだよ」
みうら「はぁーそういうことを連想させるように描いてるんだ」
タモリ「なるほどね」
教授「それで絶頂途上なんじゃないかな、ってぼくは思いますけどね」
タモリ「じゃ、そのすぐあと(ローラは)こっちに移ったわけですね」
みうら「バッとね」
タモリ「バッと」
みうら「誰かお母さんでも入ってきて『ウワーッ!』って」

「恋人たち」(1852年頃)ジャン=フランソワ・ミレー


※そのまんま男女ふたりが身体を重ねている

武田広ナレーション
「『落ち穂拾い』で有名な農民画家ミレーにも実は絶頂作品が。あまりにもストレートすぎる絶頂表現にドキッとさせられる」

タモリ「うわ! モロ絶頂じゃないですか。なにこの顔」
みうら「モロ絶頂です」
タモリ「なにこの顔」
みうら「見せられない顔じゃないですか」
タモリ「こんなの当時、描いてよかった?」
教授「これはたぶんナイショで描いてたと思うんです。ただ、表に出してる絵でも神話とかを口実にして胸とかお尻をしょっちゅう出してる絵が多かったんです」
タモリ「モロじゃないですかこれ」
堀部「タイトルもこれ『恋人たち』です」
みうら「うわ、言い訳つかないですよね。無理ですよこれ。『何してんの』って言われても」
タモリ「この(男のほうの)顔わかるもん、何を言ってんのか」
みうら「うん、わかりますね」
タモリ『どやー!』だもんね」
タモリみうら「(二人で)『ええかーええかーええのんかー』」


みうら「何に描いてあるんですかこれ」
教授「これは画帳でしょうね」
みうら「はぁー、石とかに描いてあるんじゃないですかこれ」
教授「あ、石じゃないですね」
みうら「たぶん石窟っていうか…これやっぱり“セックス”とかかってる?
タモリ「“石窟”と“セックス”はかかってない」
みうら「ネタにしてるわけですもんね。自分で。安いですもんね自分で描くと」
タモリ「DVD 無いから」
みうら「そうそう DVD の代わりですよね。“自分 DVD ”ですもんね」
教授「そのころは写真とか無いですから」
タモリ「ま、“おかず”を自分で作ってる。“自炊”ですよね


教授「それでこの人(ミレー)はすごく売れてたわけですよ神話のヌードでね。どっかの画商かなんかのショールームに自分の絵があったときカップルが来てね。そばにミレーがいるの知らないで男のほうが『これデカパイとお尻描いてるあのミレーだよ』っていうの聞いちゃったんですよ」
みうら「へぇ」
教授「それですごく落ち込んじゃって家帰って奥さんに『オレはもうエッチな絵は描かない』って。それで農民画家になっちゃった」
堀部「ずいぶんな転向の仕方ですよね」
タモリ「振り幅大きいね」
みうら「ものすごい大きいですね」
タモリ安易な感じで農民にいったんだな。教科書には『貧しい農民達の心からの共感』とか描いてあるけど。違うんだね、あれ」
みうら「奥さんにエロネタを怒られて」
タモリ「怒られて」
堀部「そう言っちゃうと一連の農民の絵がずいぶん違って見えちゃいますけど」
教授「ダリって絵描きがミレーの農民夫婦を見て『これは抑圧された性欲の絵だ』って勘で言ってるんですけど、たぶん当たってるんですよ」
タモリ「当たってますよね」
みうら「これもう“農民プレイ”みたいなもんですよね。農民の格好をして『今晩営みがありますように』っていうやつですよね」

レダと白鳥」(1510年頃)レオナルド・ダ・ヴィンチと「レダ」(1530年頃)ミケランジェロ・ブオナローティ



※巨匠ふたりの作品(左がダヴィンチ、右がミケランジェロ)。裸婦の弄んでいる白鳥がどうやら男性器を暗示している

武田広ナレーション
「ふたりの巨匠はギリシア神話に出てくるレダと白鳥をモチーフに絶頂作品を残している」

タモリ「あー有名ですね」
教授「ゼウスが白鳥に化けてお姫さまのレダっていうのに会いにいくんです。それで想いを遂げる話なんですけど。白鳥の形が昔から絵描きにすごく好まれるわけですよね。白鳥って形が首から上がこう『円筒状』でしょ? その下に丸いカラダがついてる」
タモリ「もうそれ自体が」
教授「形的に絵描きが暗示しやすいんです」
みうら「“確チン犯”ってやつですよね?」


堀部「もうあれはキスというか」
みうら「モロですよね、これ」
タモリ『スワン』とかいって吸ってるよ
みうら「『スワンのばか』とか言われてね」


教授「二人(ミケランジェロダヴィンチ)の好みの違いがよく出てますよね。(ミケランジェロのほうは)受け身いっぽうですよね。多少マザコンぽいですから、サービスしてもらうのが好きみたいなところあります。でもレオナルド・ダヴィンチは男性が好きですからね」
みうら「そうなんですか」
教授「ものすごい美少年趣味ですよね」
みうら「ダヴィンチ・コード”が後ろに回ってるってことですよね。前じゃなくて後ろにコードを入れてあるっていう。謎はね、そこにありますよね


教授「手がね。(ダヴィンチのほうは)白鳥のメンテがやっぱりミケランジェロにないものがありますよね。白鳥の形の上の円筒部分の“根元”をメンテしてるし、こっち(ミケランジェロ)は“円筒の丸いほう”をちゃんと」
タモリ「あ、両方根元を」
みうら「『遊んでない』ってやつですよね」
堀部「『ちゃんと両手使えよ』と」
みうら「『手、遊んでる!』って」
タモリ「『遊ばすなよ』ということですか」


タモリ「すっごい気持ちよさそう」
みうら「もうちょっとしたら『ビーン!』ってなるでしょうね」

「瀕死の奴隷」(1515年頃)ミケランジェロ・ブオナローティ



※下半身丸出しの男性が内股で悶えている彫刻

武田広ナレーション
「魂が肉体の束縛を離れて天に昇るさまを描いた『瀕死の奴隷』」

教授「男性が気持ちよがってる彫刻としては、もう一、二を争うと言われている」
タモリ「これ、足は内側にいってる」
教授「内にいってますよね」
みうら「『イヤーン』のポーズですよねこれ。足こう(内股に)してるときって、わりと我慢してるときありますからね。ちょっとイクの我慢してるときに、もうちょっと愉しもうって」
タモリ「ぜんぜん関係ないことを思い浮かべて」
みうらじゅん「そうそう『ピタゴラスの定理』とかいうときですよね、これ。そういうときのために義務教育がありますからね
タモリ「そうです」


教授「あと手がね…」
みうら「よく乳首いじると感じる人いるじゃないですか」
教授「乳首と腋ですよね」
みうら「あ、やっぱりそういう性感帯をポイント出していってるってことですか」
教授「そこをさらけ出して預けてる感じですよ」
みうら「しかも包茎であるっていうことですよね」


みうら「“ミケラ"は包茎彫刻、多いですよね」
タモリ「欧米は包茎多いですよね」
教授「あれは『清純』の象徴ですね。まだそういうことしてないみたいな…という人はいますね」
みうら「女の人になりたい?」
教授「男性は女性になりたいし女性は男性になりたい。天使っぽい気分になるんですよ」
タモリ「必ずあるんですよね」
みうら「ありますね。ぼくも女になりたかったけどおばさんになっちゃった


みうら「(包茎彫刻なのに)今まで見てきた絵の中でいちばんなんか疼いてるんですけど今。覚醒したんですかね?」