℃-uteラストライブにつんく♂さんがいた話

2017年6月12日にさいたまスーパーアリーナで開催された℃-uteのラストライブ「℃-ute ラストコンサート in さいたまスーパーアリーナ〜Thank you team℃-ute〜」の感想を書き惜しんだまま半年が過ぎ、今日は2017年12月6日で6月12日とあべこべなのがタイミングいい感じなので、半年遅れの℃-uteラストライブ感想文を書きます。

アンコールの最後の最後、℃-ute(910)の語呂合わせで夜9時10分ちょうどにスクリーンに映し出された時計が止まり、この瞬間をもって℃-uteの活動も終了した、なんて演出にマジで心臓止まる思いがしたのは昨日の更新で書いたとおり。この演出が会場を絶句させていたとき舞台裏でも℃-uteメンバーがオロオロ泣いていたことが後日YouTubeハロプロ関連配信に映っていて、思いを共有していたことがわかる。

大きな会場でやることがすべてではないとはいえ、やはり初めて立つ℃-ute単独ライブ史上もっとも大きな会場・さいたまスーパーアリーナで終わりを迎えられたのは℃-uteにとって大団円だった。グループとしての活動自体は全然続けてほしかったし、もっと欲をかいてドーム球場とかでやるくらい国民的になる姿を見せてほしいという意見もあったけど、選択肢の1つとしてタイミングを見計らった立派な引き際ではあった。広い会場内をトロッコでまわったりスケールの大きな演出がいっぱいあって一世一代だった。

それと同時にツアーをずっと見てきた身からすると、こんな会場でもいい意味で普段どおりなんだなとも思った。ラストライブだろうとさいたまスーパーアリーナだろうと、いつもの5人が普段から聞き慣れた楽曲を歌って見慣れたダンスを踊る。状況的には特別感しかない一夜だったけど、普段着なのはあるべき姿なんだなと。十数年、毎日臨んできた地道な活動の先にしかあの日のあの風景はなかったのだなと思う。

個人的にも座った座席が、本当にたまたま関係者席のすぐ隣で、ステージのほうに身体を向けるだけで、バナナマン日村さん、よゐこ濱口さん、遅れてきたダイノジ大谷さんといった著名な皆さんの後ろ姿が目に入った。

そんな中でひときわ驚いたのが、つんく♂さんが来ていたことだ。最初は業界人っぽい人がお付きの男性と2人で階段を降りてきて、濱口さんと挨拶を交わしたりしながら着席したのを見て、つんく♂さん?っぽい人?と半信半疑だったけど、終演後に℃-uteと撮った写真がネットに上がってるのを見て、本人だと確認できた。つんく♂さんクラスになると、もっとガラス張りの個室みたいな特等席から見るんじゃないかと勝手なイメージで思い込んでいたけど違った。

この日流れた曲の大半を手がけたつんく♂さんが、たまにスマホで会場の様子を撮影したり、℃-uteに拍手を送ったりしながら見守るステージを、さらに後ろから見る。その記憶を含めて印象深いラストライブだった。

「だから、生きる。」
つんく♂
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Buono!、℃-ute、ももちのハロプロバックスクリーン3連発

1985年4月17日に阪神甲子園球場で行われたプロ野球セ・リーグ阪神巨人戦。7回裏に阪神の3番・ランディ・バース、4番・掛布雅之、5番・岡田彰布のクリーンアップが巨人の槙原寛己投手から本塁打を3連続で放ち、その打球がいずれもセンター後方のバックスクリーンとその付近に飛び込んだ出来事は「バックスクリーン3連発」と呼ばれて2017年の今も語り継がれている。

プロ野球の世界で3者連続本塁打はたびたび発生するが、広い阪神甲子園球場の同じ方向、しかももっとも飛距離が必要なバックスクリーンにクリーンアップ3人が3連発したのは他に例がない。またこの1985年は最終的に阪神が21年ぶりに優勝したり、バースがシーズン終了後に三冠王に輝いたりという結果を残しており、バックスクリーン3連発阪神にとって歴史的なシーズンを象徴する場面となった。

このとき巨人のセンターを守っていたウォーレン・クロマティは、バースの1発目が放たれたときは打球を追いかけてジャンプ、掛布の2発目は追いかけたが諦め、岡田の3発目はついに打球をただバックスクリーンへ見送って呆然とするばかりで、このクロマティの諦めてみせた背中が3連発のすごさを演出した。以上、Wikipediaの「バックスクリーン3連発」の項目からだいぶ引用しました。

で、ここからが本題です。2017年の前半はハロー!プロジェクトバックスクリーン3連発を食らって叩きのめされた年だった。

1発目は、5月22日に横浜アリーナで開催されたBuono!ラストライブ「Buono!ライブ2017〜Pienezza!〜」。これは「Kiss!Kiss!Kiss!」の曲中に3人がステージで昼寝をして、この時間がずっと続けばいいのにね、みたいなことをやってるシーンが愛理も泣いてたし、見てて本当にもらい泣きしてしまった。このことをBuono!をまったく知らない人に話しましたが何も響かなかったので伝えることって難しい。

2発目は、6月12日にさいたまスーパーアリーナで開催された℃-uteのラストライブ「℃-ute ラストコンサート in さいたまスーパーアリーナ〜Thank you team℃-ute〜」。アンコールの最後の最後に℃-uteの語呂合わせで夜の9時10分ちょうどに時計が止まって℃-uteの活動も終わりマジで心臓止まる思いがした。ライブ自体はメンバーもファンもみんな望んでたようにキャリアでもっとも大きくかつメンバーのほぼ地元でもあるさいたまスーパーアリーナが会場という時点でもう最高だったんですけど。

そして3発目は、6月30日にお台場・青海野外特設会場で行われたももちこと嗣永桃子さんのラストライブ「嗣永桃子ラストライブ ありがとう おとももち」。ハロプロでは例のない野外での引退公演が実現してお祭りだった。ステージの去り際にももちは、それまでファンの愛を受信するためにピンと立てていた小指をそっと折りたたみ、そのまま舞台の奥深くへと沈んでいってしまった。この様子を「ターミネーター2」でシュワちゃん溶鉱炉に沈んでいくシーンに見立てる人もいました。

小指を折りたたむことで、アイドルを自らやめることを伝える。気が利いていながらも、あまりにせつない演出でした。そんなももちのラストを見送る僕は少し笑ってしまいながらも、あのバックスクリーン3連発で岡田のホームランを為す術なく見送ったクロマティのように、ただ呆然としてその場に立ち尽くしたのです。

℃-ute楽曲大賞2006-2017

℃-uteの曲をみんなで順位付けしてワイワイ楽しむファン有志のイベント「℃-ute楽曲大賞2006-2017」に投票します。
http://www.esrp2.jp/hpma/c-ute/2006-2017/
これは年末恒例となっている「ハロプロ楽曲大賞」のスピンオフ企画で、今回はハロプロの中でも℃-uteの楽曲のみが対象です。Webで投票を募って集計し、結果発表はLOFT9 Shibuyaにてトークイベント形式で2017年6月5日(月)に行われる。Webにも結果は掲載されます。
2011年頃に本格化した℃-ute熱を保ったまま2017年6月を迎えようとしている。このエントリでは℃-uteと共に過ごした思い出に欠かせない5曲を、もちろん選びきれるわけないのですが、個人的な事情と客観性を半々くらいにまぶして綴っていきます。
好きなアルバムを選ぶ「アルバム部門」と好きなメンバーを選ぶ「推しメン部門」もあるのであわせて選びます。

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2016年「第15回ハロプロ楽曲大賞」選考結果

今年2016年度に発表されたハロー!プロジェクト関連の楽曲のうち、よかったと思う5曲を投票する「第15回ハロプロ楽曲大賞」に今年も参加します。毎年恒例。特に今年の楽曲大賞はハロー!プロジェクトのメンバー針すなお風似顔絵で表現したイメージイラストが最高すぎるので、その時点で満足してもいます。

http://www.esrp2.jp/hpma/2016/

楽曲部門
5位:男と女とForever / ℃-ute / 0.5pt
4位:愛はまるで静電気 / ℃-ute / 1.0pt
3位:Summer Wind / ℃-ute / 2pt
2位:羨んじゃう / ℃-ute / 2.5pt
1位:夢幻クライマックス / ℃-ute / 4.0pt

なんと1位から5位まで℃-uteが独占!

5位の「男と女とForever」はアルバム曲で春ツアーのオープニングを飾った印象がとにかく強い。岡井ちゃんのボーカルと、ライブでのなっきぃとまいまいに持ち上げられたフライングを鮮明に覚えています。4位の「愛はまるで静電気」は2016年の年末時点での最新シングルで久々にかわいらしさ全開の℃-uteが楽しめる。まだこの曲の全貌が明らかとなる前に、愛理が℃-uteの日のイベントで振り付けの一部を披露して、それが「浮気なハニーパイ」みたいだったのでどうなることかと思いました。3位の「Summer Wind」はつんく♂さんの楽曲で文字通り夏がテーマなんですけど、これ本当にいいのかというくらい涼やかというより凍りついたように音の数が少なく森閑としたアレンジ。メロディが歌謡曲丸出しで好みです。2位の「羨んじゃう」は愛理楽曲といってもよくバースデーイベントでもソロで歌っていました。ハロプロ研修生の堀江葵月さんと前田こころさんがバックダンサーでやたら全力でセクシーな振り付けに臨んでいた記憶があります。1位の「夢幻クライマックス」は諸々ひっくるめて完成度が高く、こういう曲で「ミュージックステーション」出てほしいなというさほど無理目でもなさそうな願望を投影してしまいます。

MV部門
3位:Singing〜あの頃のように〜 0.5pt
2位:愛はまるで静電気 2.5pt
1位:夢幻クライマックス 3pt

なんと1位から3位まで℃-uteが独占!

3位の「Singing〜あの頃のように〜」MVはメンバー5人がすべての組み合わせでツーショットになり、全10通りのカップリングが楽しめる。2位の「愛はまるで静電気」MVはひたすらかわいいうえに、いろいろあって最後に「ありがとう」のメッセージがメンバーから放たれる仕掛けがあり感涙。1位の「夢幻クライマックス」MVは楽曲のゴシックな印象を損なわないどころか補完してより強固にする、とりわけ申し分ないイメージを与えてくれる素晴らしい作品だと思っています。

推しメン部門
中島早貴℃-ute

なっきぃかわいい

この半年間に読んだ本

立川談春さんの「赤めだか」文庫版。師匠の立川談志さんのエピソードはもちろんすごいし、談春さんも勝ち気。

赤めだか (扶桑社文庫)
立川 談春
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立川吉笑さんの「現在落語論」。吉笑さんの落語にかける思いや来歴もさることながら、落語界の基本的な感じがよく伝わる。

現在落語論
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立川 吉笑
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立川志ら乃さんの「談志亡き後の真打ち」。そもそもハロプロファンの落語家として親しみがあり、だいぶ本業のほうでもすごい方だと知ったのはつい最近のことです。

談志亡き後の真打ち
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立川 志ら乃
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三宅恵介さんの「ひょうきんディレクター、三宅デタガリ恵介です」。フジテレビのバラエティ番組制作の裏話がぎっしり。

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おほしんたろうさんの「おほまんが」。ハガキ職人でもあった芸人さんがTwitterで発表してきた面白いマンガの詰め合わせ。

おほまんが
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おほしんたろう
KADOKAWA (2015-11-20)
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戸部田誠(てれびのスキマ)さんの「1989年のテレビっ子」。テレビ近現代史を紐解く読み物として超面白い。

大森望さんの「50代からのアイドル入門」。書評家でSF評論家の大森さんがアイドルに目覚めてしまってからの日々。半分はハロプロなので親近感。

50代からのアイドル入門
大森 望
本の雑誌社
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爆笑問題・太田さんの「今日も猫背で考え中」。別タイトルで出てた本の文庫版。話し言葉で読みやすい。

今日も猫背で考え中 (講談社+α文庫)
太田 光
講談社
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酒井若菜さんの「酒井若菜と8人の男たち」。酒井さんと8人の男性タレントとの対談本。人を思う気持ちがすごい。

酒井若菜と8人の男たち
酒井若菜
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てれびのスキマさんの「1989年のテレビっ子」はマストで読めばいいと思う

てれびのスキマ(戸部田誠)さんの新刊「1989年のテレビっ子」は、テレビから放たれるお笑いやバラエティが好きな人はマストで読めばいいと思う。という一行で言いたいことが終わるのは悲しいので読書感想文をやります。

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℃-ute9枚目のアルバムのいいところ

2015年の「第14回ハロプロ楽曲大賞」の投票コメントを書いていたら途中で力尽きてしまった、という前回更新の反省をふまえまして、今回は12月23日に発売された℃-uteの9枚目のアルバム「℃maj9(シーメジャーナインス)」について10分でいろいろ書いて、そのまま臆することなくアップしたいと思います。

℃maj9(初回生産限定盤A)(DVD付)
℃-ute
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まずなにがいいってジャケットが最高です。僕が購入したのはこの初回生産限定盤Aで、いわゆるトールケースっていうんですか、DVDみたいな縦長のデザインで、まあメンバー5人全員かわいく映ってる。みんなそれぞれ全身でポーズ決めてお人形さんみたい。大きめのポスターがあれば部屋に飾りたいくらいです。2016年に新たに部屋に貼ったカレンダーは世田谷区のごみ出し日が一目でわかるカレンダーくらいなので潤いがほしい。

あと収録されている新曲はどれもそれぞれ聴きどころがあるんですが、特に「羨んじゃう」という楽曲が鈴木愛理さんフィーチャー曲という位置付けで吐息交じりの凝った歌唱技法が随所で用いられており、今後ライブで披露される日が待ち遠しいばかりです。またリード曲として扱われている「アイアンハート」はすでにライブで歌われており、イントロで毎回、岡井千聖さんがいろいろ違うセリフをほとんどアドリブみたいに言う趣向が楽しいです。

初回生産限定盤AについているライブDVDもよかった。2015年5月29日に恵比寿のリキッドルームで行われたライブが収められており、僕もこの公演には行きまして、翌月6月11日に℃-ute結成10周年の大舞台・横浜アリーナ公演を控えた多少の緊張感と、多少のことではもはやブレない磐石感が味わえます。